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住まいも喜怒哀楽もシェア。趣味も性格も、個性を浮き彫りにする2DK。
CULTURE 2023.08.21

住まいも喜怒哀楽もシェア。趣味も性格も、個性を浮き彫りにする2DK。

いつかは戸建てを——。でも、憧れ以上に大切なのは今の生活。そこで今回は2DKの住まいに暮らすmoneさんのお宅へ。職場の同僚でもある友人とルームシェア。性格も趣味も、それぞれの個性がにじんだ住まいを覗きにお邪魔した。

INFORMATION
moneさん
moneさん
高校卒業後に調理師免許を取得。製菓学校で洋菓子を学び、東京・五反田のカフェ「TONER」にパティシエとして勤務。出張販売をメインとしたスイーツブランド「dirty spoon」も手掛ける。プライベートでは職場の同僚でもあるmaoさんと共同生活を送る。

始まりはInstagram、住まいも職場も一緒のシェアメイト。

moneさんは若き菓子職人。目黒川沿いにたたずむ五反田のカフェ「TONER(トナー)」のパティシエを務めるかたわら、自身のスイーツブランド「dirty spoon(ダーティー・スプーン)」をローンチ。お菓子の味わいやビジュアルはもちろん、ロゴをはじめとするクリエイティブのセンスも注目を集めている。

そのセンスの一端は、彼女のInstagramからも見て取ることができる。自身が製作したお菓子の写真と並び、気張ることなくトレンドを押さえたファッションや、彼女が暮らす部屋のインテリアも目を引く。

「友だちのmaoとルームシェアをしています。彼女との出会いは高校生のとき、きっかけはInstagramでした。お互いのファッションが似ていることから連絡を取り合うようになって、リアルでも会うようになって。ついには私がmaoのことを『TONER』に引き込んで(笑)。今では家も職場も一緒です」

シェアメイトのmaoさんは、友人でもあり、職場の同僚でもある。以前はmoneさんもmaoさんも関東近郊の実家に暮らし、それぞれが五反田まで通勤していたそう。「でも、朝から満員電車に揺られるのはしんどい」ことから、2DKの賃貸でルームシェアをスタート。

ものづくりが好きな私と、自然が好きな友人と。

「職場まで自転車で通える立地であること、それぞれの個室があることを条件に物件を探しました。それにせっかくルームシェアをするなら、私たち共通の友だちが集まれる場所にしたい。ふたり暮らしなのに大きなソファを選んだのも、みんなが一緒にくつろげる空間にしたかったからです」

それぞれの個室にはお互いの個性がにじみ、ふたりの趣味を浮き彫りにする。パティシエとして自身のクリエイティブを発揮するmoneさんの部屋にはDIYで制作した家具や、お気に入りのアイテムが顔を出し、「自然が好き」というmaoさんの部屋には植物だけでなくカメと熱帯魚も棲まう。

「建築士の父の影響もあって、私はものづくり全般が好き。帽子をセットしているボードもレコードラックも、床やイスに敷いたラグも自作です。自作のアイテムを中心に、広さを犠牲にしてでも好きなものをレイアウトしました(笑)。でもmaoの部屋は対照的で、好きなものを散りばめつつ、生活動線もきちんと考えられていて」

聞けば、maoさんのルーティンはヨガ。そのスペースを確保するべく、maoさんの部屋は見るからにすっきり。白壁とベッドカバーの柔らかな色彩を基調に植物の深いグリーンがアクセントを添え、moneさんとの部屋とのコントラストが際立つ。

「部屋のインテリアだけでなく、家での役割にもお互いの個性が出ていて。ものづくりが好きな私は料理担当、きれい好きなmaoが掃除担当です。maoのおかげで気持ちよく暮らせているし、私はmaoにお腹いっぱい食べてもらいたい。仕事が終わった後、家に帰っても料理をしたくなるのはmaoのおかげです」

いつかは戸建てを。それぞれの夢の住まいにも個性が宿る。

「以前はひとり暮らしをしていて、当時は仕事の悩みも家事の大変さも、全部をひとりで背負っているような感覚だったのが、今は違います。何でも話せるmaoがそばにいるし、生活サイクルも一緒だから、ふたりで朝活に出掛けることもあるくらい。お互いを補い合いながら、日々の楽しみをシェアしている実感があります」

ルームシェアを始めてから1年と数か月。その期間は「本当にあっと言う間」だったそう。ハロウィンやクリスマスといったイベント事にはふたりの仲間が集い、大勢と過ごすにぎやかな雰囲気もまた、ふたりの活力源。それだけに「引っ越しの予定は、今のところありません」とのこと。

「とは言え、お互いに結婚するかもしれないし、いつかは別々に住む日が来るはず。そのときには、自分だけの一軒家を建てたいんです。外観も内装も建築士の父と一緒に設計して、DIYのように完成させた家に暮らすのが夢ですね」

将来は一軒家に、というビジョンはシェアメイトであるmaoさんも一緒。「私は神奈川の田舎育ち。自然豊かな環境に育ったので、いつかは緑がいっぱいの田舎に一軒家を持ちたくて」——。ものづくりを愛するmoneさん、自然を愛するmaoさん。未来の住まい像にも現在の住まいと同様に、それぞれの個性がにじんでいる。

  • Photo/Kiharu Karube
  • Text/Kyoko Oya
LL MAGAZINE