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ラワンの壁がもたらす自由。趣味がそのまま家になるDIY暮らし。
GARAGE LIFE 2024.04.22

ラワンの壁がもたらす自由。趣味がそのまま家になるDIY暮らし。

アイデアを形にすることで、心地よい住まいを追求できるDIY。Kentaroさん、Omamiさん夫婦の暮らす家は、まさにそれを体現していると言えるだろう。ガレージを始め、家中に設けられたラワンの壁には自転車やシュノーケリンググッズが並び、とにかく多趣味な様子。家の自由度の高さが、2人の生活を拡張してくれているのだ。

INFORMATION
Kentaro/Omami(Replicant.fm 主宰/おまんでい食堂 主宰)
Kentaro/Omami(Replicant.fm 主宰/おまんでい食堂 主宰)
ポッドキャスト番組「Replicant.fm」主宰のKentaroさんと、ポップアップフードイベント「おまんでい食堂」を主宰するOmamiさん(@hyperomami)。ランニング、自転車、ダイビングといったアウトドアから、DIYやアート、インテリアまで幅広い趣味を持つ。

元店舗をリノベ&DIYした家は、今までで一番大きな衝動買い。

古くからモノづくりが盛んなことで知られる浅草・蔵前。今ではコーヒースタンドや雑貨店などが立ち並び、歴史と革新が共存する街として人気を集めている。そんな蔵前からほど近い場所で暮らすのが、KentaroさんとOmamiさん夫婦だ。

Kentaroさんが蔵前エリアに居を構えたのは、東京スカイツリー開業直後の2013年のこと。これまでは賃貸マンションにばかり住んでいたが、契約更新のタイミングが近づいたことで「もっと余白を楽しめる家に住みたい」と考え始めたのだという。引っ越し先を探していた中で奇跡的に出会ったのが、もともとプリント屋の店舗だったという3階建ての一軒家だ。



「このあたりでは珍しい一軒家というのと、2人で暮らすのにちょうどいいサイズ感でひと目見て気に入りました。元店舗なのも面白いし、間取りやリフォームのプランを好きなように決められるのも魅力的で、内見したその日のうちに即決したんです。今までで一番大きな衝動買いでしたね(笑)」

コンパクトでも狭さを感じない秘訣は、ラワンの壁。

通りに面する1階はガレージスペース、2階はLDK、3階は寝室とOmamiさんの作業スペースも兼ねている。ひとつひとつのフロアはコンパクトでありながらも不思議と狭さを感じさせないのは、壁に取り入れたラワン材のおかげだろう。

「自分たちで好きな家を作れるならとことん突き詰めようと思って、家の契約直後からDIYの勉強を始めたんですが、特にインスパイアされたのがアメリカの現代アーティストであるトム・サックス。彼のスタジオが壁を収納代わりしている様子を見て『自分もやってみよう』と考えました」

ラワンの壁のメリットはどこでもビスを打てることと、いつでもその位置を変えられること。賃貸だと、何かを買うにも収納のキャパシティを考えなければならないが、ラワンの場合は自由自在に収納場所を増やしたり整理したりできる。
「あれをこっちに動かして、あそこをこうして…ってパズルしながら収納するんです」と、2人にとっては日々の楽しみのひとつでもあるようだ。

ラワン材はプロの手を借りて設置したが、家の中には自分たちの手でDIYした場所も多い。特に苦労したのは、洗面台やキッチンの壁に貼ったタイル、そして漆喰での塗装だ。

「漆喰の粉を買って練るところから始めたんですけど、粉だらけになって大変でした(笑)。タイルも壁の端のほうは自分たちでカットしなきゃならなくて、かなり苦労しましたね。手を抜いたらこの先ずっと後悔しそうなのでヒヤヒヤしてました」

収納力の高さが、新しい趣味を生み出していく。

旅やロードバイク、シュノーケリングなど、とにかく多趣味なKentaroさんとOmamiさん。「誰かに誘われたら気軽にやってみる」というフットワークの軽さから趣味が増えていく中で、収納力の高さは助けになっているのだとか。実際に、この家に住み始めてから見つけた楽しみもあったようだ。

「1階のガレージに置いてあるロードバイクも、気づいたらどんどん増えていきました。最近はボルダリングにもハマっていて、家の内装にもその要素を取り入れようと計画中です。2階から3階に上がる階段の壁にボルダリングのホールドを設置したら、コートハンガーとして使えるんじゃないか?と思ったんです」

家作りこそ、最も身近なクリエイティブな趣味。2人の話を聞いていると、そう思えてくる。ちなみに、2階、3階のカラフルな壁もDIYで塗ったもの。その時々の気分を重視しているが、サンプルをもらって三日三晩吟味してから色を決めているので、今のところ「塗って後悔!」なんてことはないそうだ。

人と家が化学反応することで、暮らしはもっと楽しくなる。

「この家で一番のお気に入りの場所は?」と尋ねると、「ガレージですね」とKentaroさん。暖かい季節になるとアウトドアチェアとミニテーブルを出して食事をしたり、友達を呼んでくつろいだりすることも多いのだそう。

Omamiさんによると「玄関ドアの青いふちも自分たちで塗りました。ぱっと見お店っぽくて気に入ってます」とのこと。実際に、何かのお店だと勘違いする人もいるというのも納得だ。

この春からスポット移住に挑戦するKentaroさんとOmamiさん。まずは南伊豆で1ヵ月ほど生活するらしく、「思う存分アクティビティを楽しむべく計画してます」と教えてくれた。

「観光地をめぐるよりも、実際に生活してその地域ならではの魅力を見つけるのが好きで。週末だけだと時間が足りないんですよね。移住中、この家は飲み歩きが好きな父に貸す予定です」

家の自由度の高さが趣味を生み出し、趣味が家の姿を変えていく。きっと、移住先で経験したことや新たな出会いもこの家に反映されていくのだろう。余白を楽しみ、変わり続ける2人だからこそ起こる化学反応を、確かに感じることができた。

  • Photo/Takahiro Kikuchi
  • Text/Moe Ishizawa
LL MAGAZINE