住まいを遊び倒す。住み始めてからが楽しい、ZERO-CUBE TOOLS(ゼロキューブツールズ)。
今回の舞台はtoolboxとLIFE LABELのコラボレートによって生まれた規格住宅「ZERO-CUBE TOOLS」(ゼロキューブツールズ)に暮らす、normal_mom_さんの住まい。暮らしやすさを向上させる日曜大工も、暮らしの楽しみをクリエイトすることもDo It Yourself!そんな暮らしを覗きにお邪魔した。
- normal_mom_ さん
- のーまる・まむ|横浜市の郊外に、夫と娘、愛猫のニシとの3人+1匹暮らし。結婚を機に新築マンションを購入した後、2021年春にZERO-CUBE TOOLSへ転居。ものづくりと車中泊をこよなく愛し、愛車は車中泊が可能な仕様にカスタムされたフォルクスワーゲンのヴァナゴン。
- Instagram - @ normal_mom_
アレンジしたい。想像を掻き立てたZERO-CUBE TOOLS。
normal_mom_さんは夫と娘、それに愛猫であるニシとの3人+1匹暮らし。結婚を機に新築マンションの一室を購入するも、何かと頭をもたげてくるのが戸建てへの欲求。一戸建てなら、家族がよりのびのびと暮らせるに違いない。この想いから戸建ての購入を決め、住まいに選んだのがZERO-CUBE TOOLS。
ZERO-CUBE TOOLSは、自分の空間を自由に編集するための道具を取りそろえたtoolboxとLIFE LABELのコラボレートによって誕生した規格住宅。ZERO-CUBEの四角いフォルムをベースに、自分の空間を編集する、つまりはDIYの意欲をくすぐる仕掛けが散りばめられ、normal_mom_さんがこの住まいを選んだ理由もそこにある。
「これはきっと、自分特有のサガですね(笑)。私、背が小さくて。既製の服はそのままでは着られず、リサイズしたり、あえてオーバーサイズを選んだり、何かしらの工夫をしないといけません。そうした習慣が身に染みついているのか、住まいも自分や家族にフィットするようにアレンジしたくて」
実は、normal_mom_さんは住宅のCADオペレーターを務めていた経歴を持ち、夫は建築会社に勤務。いわば、その道のプロだ。家族にフィットする住まいを実現するべく、一から十までフルオーダーの注文住宅という選択肢もあったが、「真っ白な紙に絵を描くのは大変。どんな住まいにしようか、ベースがあったことで想像がしやすかったんです」。
有孔ボードの壁を多用したZERO-CUBE TOOLSなら、雑貨のディスプレイも思いのまま。家族の暮らしに応じ、屋上バルコニーもプラスできる。想像を掻き立てるベースと自由度の高さ。ふたつの両立に惹かれ、normal_mom_さんは現在の住まいを遊び倒す。その様子が見て取れるのは、ハイセンスに飾られた有孔ボードの壁にとどまらない。
もっと暮らしやすく、住まいのことを好きになるために。
「マンション暮らしだった当時から、何かと部屋をアレンジしていたんです。例えば、せっかくの新築マンションの床に足場板を張ったりもして(笑)。その風合いが気に入って、今の住まいもリビングの床は足場板です。いかにも新築といった状態よりも、ちょっとエイジングされた趣のほうが手を入れやすい気がして」
ぴかぴかの部屋をアレンジするには、確かにためらいが生じる。しかし、使い込まれた風合いが“味”の足場板なら、そうした躊躇は無用だ。normal_mom_さんは住まいに自分なりの色を添えるため、オープンフレームのキッチンにOSB合板のカウンターをDIY。足元の収納を目隠しするのと同時に、作業スペースを拡張させている。玄関に標準装備された収納スペースには棚板を取り付け、シューズクロークとして生まれ変わらせた。
「どうしたら、もっと暮らしやすくなるのか。どうしたら、自分の住まいのことをもっと好きになれるのか。それを想像して形にするって、すごく楽しい作業だと思うんです。私が考えたアイデアを夫が形にしてくれることもありますし、私自身もローテーブルの天板や吸気口のカバーを手作りしたり。我が家のDIYは、夫と私の二人三脚ですね」
聞けば、normal_mom_さんは根っからのクリエイター気質。ものづくりへの興味からCADのノウハウを習得し、さらには器の目利きもお手の物。かつては自身がセレクトした陶器のオンラインショップを営み、その審美眼はパントリーに並んだ器から一目瞭然。お気に入りが詰まったパントリーには、ずっと眺めていたくなるような光景が広がる。
車中泊のムードそのまま、インドアの“グランピング”。
暮らしやすさをアップデートするため、DIYという行為そのものを楽しむnormal_mom_さんだが、彼女の趣味は車中泊。休日に道の駅まで出掛けるのも、キャンプ場まで足を伸ばすのも、目的はあくまでも車中泊。自らがハンドルを握る愛車にフォルクスワーゲンのヴァナゴンを選んだのも、ゆったり車中泊を楽しむためだ。
「でも、ここ最近は寒さに負けて、あまり出掛けられていないんです。車中泊のアイテムたちを宝の持ち腐れにはしたくなくて、リビングに面したフリースペースを模様替えしたところ。車載していた道具でインテリアを組んだ結果、いかにも“グランピング”な雰囲気に仕上がりました。今ではここが家族の憩いのスペースです」
アウトドアのアクティビティが難しいなら、インドアで車中泊のムードを味わう。グランピングな趣に仕上げられた一室はリビングだけでなく、ウッドデッキにも面した間取り。家の内外が緩やかにつながる間取りを生かし、normal_mom_さんは「近いうちに七輪を用意して、魚を焼きたくて」。窓を開け放したまま、キャンプさながらに豪快な食事を楽しむ予定だ。
そして、和風な装いになりがちな“こたつ”にさえも、アウトドアレジャーのニュアンスをプラス。驚くなかれ、こたつ布団として愛用しているのはコールマンの寝具。キャンプ用品らしいサンドカラーが足場板の床にマッチするのはもちろん、保温性も抜群。この意外な活用法を思いつけるのも、大胆な遊び心があってこそ。
思い思いに手を加える。家は、住み始めてからが楽しい。
「親の背中を見て子どもは育つ。この言葉は本当かもしれません。DIYやインテリアの構想を練ったり、部屋に飾るドライフラワーや雑貨を手作りしてみたり。こうした私の楽しみが、娘にも受け継がれているんです。娘は絵を描いたり、手芸をしたりするのが大好き。最近はフェルトアートに夢中になっています」
normal_mom_さんの言葉を物語るように、フリースペースの足元にセットされた収納ボックスには、フェルトアートの材料となる羊毛がぎっしり。そして、ものづくりを趣味とするnormal_mom_さんの背中ともうひとつ、愛娘の感性を育むのにひと役買ったのが、実はキッズルームの存在だという。
「リビングダイニングも私や夫の個室も、ベースカラーはブラウン。でも、娘の部屋だけは真っ白にしたんです。理由は私たち両親の趣味ではなく、彼女自身の色に染めてほしかったから。その気持ちが通じたのかもしれませんね、キッズルームは娘のやりたい放題(笑)。『床も白くしたいから』って、フロアマットまで自分で敷いたんです」
ホワイトを基調としたシンプルな面持ちながら、キッズルームの印象はまさに個性的。真っ白な空間にパステルカラーの雑貨が映え、随所に顔を出すサブカルチャーのアイテムが独特な表情をかもし出す。部屋に漂う自由なイメージもまた、住まいを思い思いにアレンジし、遊び倒すようなnormal_mom_さんの姿に重なる。
「繰り返しになりますが、住まいに手を加えていくのって、本当に楽しいんです。この家に引っ越してからもうすぐ2年が経ちますが、出来ることならもう一度、戸建てを建ててみたいくらい(笑)。そう思ってしまうくらい、住まいをアレンジすることの楽しさに魅了されています」
家は建てたら終わりじゃない。住み始めてからにこそ、アレンジしていく楽しみがある。「もう一度、戸建てを建てたい」というnormal_mom_さんの言葉には、家に暮らし、家を遊び倒すことの醍醐味がにじんでいる。
- Photo/Hiroyuki Takenouchi
- Text/Kyoko Oya
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