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TIMBER CREW(ティンバークルー)、仕事と暮らしと遊びが循環する場所。
GARAGE LIFE 2023.01.03

TIMBER CREW(ティンバークルー)、仕事と暮らしと遊びが循環する場所。

「ティンバークルー(TIMBER CREW)」という一風変わった建材屋が注目を集めています。その理由は、モノづくりを担うスタッフの個性と暮らしを大事にしている社風にあるようで…。いざ工場が併設する本社を見学して納得。それぞれが感性やカルチャーを尊重し、商品の開発や制作に生かす。だから、日々の趣味や好きなことも一生懸命。おもしろいことに、働く場所から生活を楽しむヒントが見えました。

INFORMATION
TIMBER CREW(建材加工会社)
TIMBER CREW(建材加工会社)
てぃんばー・くるー|特注色塗装やエイジング加工を得意とし、フローリング・突板(不燃仕様有り)・不燃木材などあらゆる木を販売し、さまざまな空間の制作を手がけている建材メーカー。既存のオーダーメイドラインに加え、これまでの経験や技術を活かし、素材の表情、パターンなど天然木の魅力を最大限に引き出した多種多様な既製品のフローリング・突板の販売を開始。その他、製造過程で生まれる端材でプロダクトを製作する「TIMBER CREW PRODUCTS」や、造園、ランドスケープデザインなどを手がける「Tan」、山梨県道志村にあるキャンプ場、水源の森キャンプ・ランドを運営する「CAMP CREW」も展開。

働く・暮らす・遊ぶが詰まった、TIMBER CREW。

まずは、「TIMBER CREW」の社屋全体図をご紹介。広い敷地内には、仕事場はもちろん、スタッフがこだわった息抜きできる場所やお楽しみが詰まったスペースも。それはまさに、仕事と暮らしと遊びがひとつの空間に凝縮されているようです。

働く|デザイナー不在! アイデアで勝負する稀有な木工集団。

ひと言で建材屋と言っても、TIMBER CREWは、さまざまな顔を持っています。店舗やオフィスに使うフローリングのカスタムメイドをはじめ、木を使った壁面や天井などの制作、エイジングや特殊塗装などの加工、さらにスツールや植木鉢といったインテリアの製造をおこなう。言うなれば、プロの“木工集団”です。現在、東京の調布市深大寺に構える本社は、工場と事務所がシームレスに融合した建物で、日々スタッフたちがモノづくりに励んでいます。

クライアントから依頼を受けたあらゆる建材は、本社3階にある工場で、ひとつひとつスタッフの手で塗装、加工され、生み出される。その姿はまるで木との濃密な対話をしているよう。一見効率的ではないようだが、木の特性を把握し、クライアントが望む色味や表情を丁寧に作るために必要な工程なのです。

社内には、いつでも自由に手を動かせる環境が整っていて、思いついたアイデアを寝かせず、すぐ形にすることができます。実際、オフィスや工場のいたるところで、彼らが作った什器やインテリア、内装を見られます。実は、デザイナーやクリエイターという肩書きを持つ者がいません。それは「自分たちらしくものを作る」という理念に共感し、自分たちのアイデアや感性を信じ、まず手を動かし、やってみることを大事にしているから。おもしろいのは、クライアントの要望を聞いた営業担当が、2階のサンプルラボで、まっさきに提案サンプルを作ってみるという独自のスタイル。みんなが職人。「鉄は熱いうちに〜」ならぬ、木はアイデアが熱いうちに打てというのが、「TIMBER CREW」の強みであり持ち味なんです。

ライフスタイルに彩りを加えるプロダクトラインである「TIMBER CREW PRODUCTS」も充実のラインナップ! アメリカ産のウォルナットなどを使ったオセロや屋久杉のお香立て、アフリカ黒檀(こくたん)を採用したプランターなど、建材屋ならではのアイテムに胸が躍ります。

暮らす|スタッフ自らの手でDIYした、居心地のいい空間。

TIMBER CREWには、“思いついたアイデアを寝かせずに、すぐに形をにする”という考え方があります。それを色濃く感じる場所が休憩スペース&ロッカールームです。休憩やランチタイムに使うメインのテーブルは、スタッフたちが木材やサイズ、デザインを決めて自作したもの。お気に入りのものに囲まれた空間は、仕事場でありながら自宅で楽しむガレージライフのような雰囲気をたたえています。

お昼の休憩時間や就業後には、スタッフが集まり、談笑が始まる。備え付けの冷蔵庫から、それぞれが飲み物を手に取り、仕事の相談からプライベートの話まで、常に盛り上がっています。そんな関係性から生まれるのは、仕事と生活を共有する一体感。自分らしさを貫きながら、仲間の意見と力を借りてモノづくりを進めていける。ほとんど手作りという内装を見てみると、まさに彼らの“自分らしく楽しむ”という姿勢がうかがえます。

休憩スペースに馴染んでいる什器や内装も、思いついたアイデアを形にできる環境があるTIMBER CREWならでは。スタッフの感性が息づいています。備品を保管しておくストレージルームも、外から見えないとつい整理整頓を怠ってしまうという意見がスタッフの間で出たことで、「KIOSKっぽいデザインにして、中が見えた方がいいよね」と、あっという間に作ってしまったといいます。部屋の装飾ひとつとっても、好きなものを身の回りに置くことで、遊び心を忘れず、自分たちの感性を大事にしながら、仕事に打ち込めます。

まるで部室のようなロッカールームもスタッフの手作り。私物を並べられるオープンな空間になっていて、仲間としゃべりながら和気藹々と着替える。プライベートから仕事へ自然に、かつスムーズに流れていくことができる。

また、一般的に建材屋や工場で働く人はシンプルなつなぎのような作業服を着ているイメージに対し、TIMBER CREWのスタッフは皆、オリジナルのTシャツやカットソーを着ています。作業着とも制服とも言えない、チームの証のような服。それを身につけることで、自らの気分を上げ、仲間と一緒に働いている意識を高めていると知りました。

遊ぶ|まず私生活を豊かに! それが仕事を楽しむ秘訣。

それぞれの人間性や感性を大事にしているTIMBER CREWは、プライベート=私生活も尊重しています。スタッフの中には自転車やバイクで出社する者も多く、休日に一緒にサイクリングやツーリングに出かけることも。また、本社に自由に使えるキャンプ道具を常備しており、スタッフ同士で週末にキャンプに出かけられます。好きなこと、楽しいことを大事にする彼らだからこそ、遊びを通じて自然と仕事でのチーム力がアップすることは容易に想像できます。また、社内スタッフやお客様とのコミュニケーション・スペースとしてバーを作ったというから驚き。まるで仲間と気ままに集まれる家のガレージのような雰囲気です。自宅でも仕事場でも、こんなスペースがあれば毎日が充実するはず。

また、普段から好きなものを仕事に持ち込むことも自由。スケートボードが好きなスタッフが、「端材にウィールをつけたら……?」という発想を思いつけば、実際に作ってみる。もちろん、思い立ったらすぐ手を動かせる環境とスタッフの意識が整っているからこそ。そこからひとつのインテリアが生まれ、「TIMBER CREW PRODUCTS」として仕事に還元されます。

私生活の中で拾った喜びやアイデアが、そのまま仕事に返ってくることは、働く大人にとって理想ではないでしょうか。またそれを、すぐ形にできるというのもTIMBER CREWの魅力であり、個性。会社として、ひとりひとりの生活に力を注ぐことが、仕事へのモチベーションにつながっています。

オフィスと工場を巡り、そこ働く人と会って、「会社は家族」であることを実感しました。会社のルールで、一番といっていいほど大事にしているものが“挨拶”だそう。仕事中にお邪魔しても、道ですれ違っても、みんな目を見て挨拶をしてくれます。初めて来た人でも、受け入れてくれているという心地良い感じがしました。

自分たちの仕事場とそこで働く仲間を大切にして、楽しみながら互いに高め合うこと。“働く”と“遊ぶ”と“暮らす”がシームレスに循環しているTIMBER CREWの魅力を感じました。その考えは彼らだけでなく、私たちにも通じる大切なことだと思います。仕事とプライベートをつい別々に考えがちですが、それらをシームレスにつなげる彼らの考え方は、私たちが生活を楽しむための大きなヒントだと思います。

彼らのように、プライベートを充実させ、仕事のモチベーションとして循環させることができたなら、日々の暮らしももっと楽しくなりそうです。

  • Photo/Hisanori Suzuki
  • Text/Hisamoto Chikaraishi(S/T/D/Y)
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