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アメトイに囲まれて。家をキャラクターたちの“舞台”にした男の話
INTERIOR 2022.02.18

アメトイに囲まれて。家をキャラクターたちの“舞台”にした男の話

好きなものが近くにあるだけで、ちょっとうれしくなる。どんなに嫌なことがあっても、少し気分が上がったり、元気をもらったり。いつもの自分の生活を彩ってくれるエッセンスのようなもの。そんな「好き!」に囲まれた暮らしを送るのが、杉山拓さんだ。ひょんな出会いがきっかけでアメトイ(アメリカントイ)に魅せられ、庭には専用のコレクション小屋まで作ってしまったという。一体どんな楽しみ方をしているのか、話を伺った。

まるで博物館!なアメトイハウス。始まりは1体のミッキー

住宅街に突如となく現れる真っ赤なボディに青い屋根の小さな小屋。トイ・ストーリーに出てくるおもちゃ屋さん“AL’S TOY BARN”を真似て、“TAKU’S TOY BARN”と名づけられたこのスペースには、杉山拓さんが集めたアメトイがぎっしりと並んでいる。

「もともと、家の一角でコレクションしていましたが、そのスペースが溢れてきてしまって。庭にトイ・ストーリーのおもちゃだけを並べた小屋を作ってしまいました(笑)」

杉山さんがアメトイを集めはじめたきっかけは何だったのだろうか。

「よく服を買いに行っていた奈良の『come together』という古着屋さんがあるんですが、そこで見つけたミッキーマウスの人形が、初めて買ったアメリカントイですね」
なんと、それまではディズニーのアニメも観たことがなかったという杉山さん。一目惚れをしたミッキーを引き金に、セサミストリートやスヌーピーなど、毎月のようにアメリカントイを買うようになる。

「最初はインテリアの延長でした。部屋にちょこんと置いたら可愛いかなと思って。棚がどんどん埋まっていくうちに、自分で新たに棚を自作するまでになってしまって。いつの間にか、実家の部屋がアメトイで埋まっていきましたね(笑)」

今やその数3000体。ちなみに、今までで一番高価だった物はスヌーピーとその仲間たちのフィギュアで、7体で約20万円だったそう。

杉山さんがアメリカントイを購入する基準は、至って単純だ。自分にとって「可愛い」か、「可愛くない」か。そして、買う後悔よりも、買わない後悔をしたくない。安くても高くても、いいなと思ったら購入するのが杉山さんの買い物の仕方だ。

欲しいアメトイがあれば遠方でもお迎えに

「いま現行で販売しているおもちゃよりも、やっぱりヴィンテージトイのほうが好きで。一度出会ったらもう最後と思って買っていますね(笑)。名古屋や東京にもおもちゃを買いに遠征に行きますよ」

熱心に集めていたアメリカントイだが、就職をしてからは忙しさゆえ下火になっていたという杉山さん。ところがSNSをきっかけに、コレクション熱が復活する。

「Instagramを始めて自分のコレクションを投稿するようになったら、『可愛い〜!』や『これ探しています!』など、いろんな反応が来ました。そのコミュニケーションがとても楽しくて、また集め始めようかなと思ったんです」

アメトイが生んだリアルの繋がり

結婚後に建てたというこの家で、暮らすこと9年。この場所を選んだポイントは、行きつけのショップ「come together」から30分圏内であること。そして何よりも外せなかったのは、コレクションを置くためのスペースを確保することだった。

実は杉山さんの家は、「すごい数のアメトイがある!」と、全国から噂を聞きつけてやってきた人たちが訪れる名所でもある。そうして繋がりを持った仲間たちと、ルームツアーやヤードセールを開催。自分で楽しむだけでなくアメトイ好きに向けてさまざまな発信をしているのだ。自費出版で作っているトイ雑誌『TOYBARN』は、アメリカントイを扱うお店の情報や、コレクターたちのコレクター部屋を紹介するページなどで構成され、全国のコレクターやショップの架け橋のような存在となっている。

杉山さんの情熱は一体どこからやってくるのだろう。「アメトイが大好き!」という気持ちは大前提なのだが、それにも増して原動力となっているのが、コレクションを通じて出会う人とのコミュニケーションだ。

「昨日も家の見学に3組ほど遊びに来ました。定期的に家の庭で開催しているヤードセールも、Instagramなどで告知をすると、毎回100組くらいの応募があるんです。こうして様々なコミュニケーションを繋いでいくために、アメトイを集めているのかもしれませんね」

アメトイで広がるコミュニケーションの輪。それはいまや、家の中だけにはとどまらない。

「最近、ワーゲンバスを買いました。そこにはマクドナルドのアイテムだけを置いています。自宅だけでなく、外にも自分のコレクションルームを運んでいるような感覚ですね。この間、このクルマで走っていたら、ワーゲンの集まりがあるからおいでよって声をかけてもらって、今度ツーリング大会をすることになりました。いまは近所でも、おもしろいクルマがあると有名です(笑)」

アメトイは、僕にとって最高のエンタメ。

さまざまなキャラクターが集まる自宅の一室、トイ・ストーリーのキャラクターだけを集めた庭の小屋、そしてマクドナルドのグッズを乗せたワーゲンバス。杉山さんのアメトイたちは、それぞれの舞台で「自分が一番のスターだ!」と言わんばかりの輝きを放っている。

「いま欲しいなと思っているのは、昔マクドナルドによく置いてあった遊具ですかね。おもちゃ仲間で子どもがいる人も多いので、庭にあったらみんなが遊べるな〜と思って」

さらなる野望を語ってくれた杉山さん。その一方で、新たな繋がりを作るため「ゆくゆくは手放すことも面白いかもしれない」とも話す。

「なにか区切りのタイミングで、売るのもいいかもしれないなと思っています。大切してくれる人に譲ったり、お店にして販売したりするのもありだなって。結局、僕は人とコミュニケーションを取ることが好きなんです。アメリカントイを通して、人と関係性を作っていくのが、本当に楽しいことなので。実は人見知りなんですけどね(笑)」

アメリカントイと出会った分だけ、人との出会いもある。見えるものではないけれど、アメリカントイを通じてできた人との繋がりは、どんなおもちゃよりも変えがたい。杉山さんの家は、まさに『HOUSE IS ENTERTAINMENT』を体現する場所だった。

  • Photo/Masashi Ura
  • Text/Fumika Ogura
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