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韓国と日本を行き来しながらライフスタイルをシェアする。新しい暮らしのかたち。
ART & MUSIC 2022.11.07

韓国と日本を行き来しながらライフスタイルをシェアする。新しい暮らしのかたち。

韓国と日本を行き来しながら芸能活動やアーティスト活動をおこない、韓国ではメンバーであるSANGGYUNさんとシェアハウスしている髙田健太さん。髙田さん自身が撮影した写真とともに、昨今耳にすることが増えた新しい暮らし方の選択肢“シェアハウス”について、また理想とするライフスタイルについて聞いた。

INFORMATION
KENTA/髙田健太(たかだ・けんた)
KENTA/髙田健太(たかだ・けんた)
1995年1月10日、群馬県出身。韓国のオーディション番組をきっかけに結成された期間限定グループJBJで韓国デビュー。グループ解散後はJBJメンバー・SANGGYUNとデュオを結成し音楽活動をするほか、2021年からアート活動を開始し韓国と日本で個展を開催。

髙田健太さんが最初に韓国に渡ったのは、2015年の冬。今年の年末で8年目になる。
「はじめは韓国の住居スタイルのひとつである“コシウォン”に入居しました。もともとは地方から受験生が上京して、家賃を抑えながら生活するための部屋。今では学生に限らず様々な人が利用しています。日本の下宿所のようなイメージですね。当時はお金がなかったし、コシウォンは一般の賃貸契約のような審査などもないので、前払いで1か月の費用さえ支払えば、行ったその日から住むことができるんです。着いた当日が大雨だったんですが、事前に何も決めず、傘も持たずに韓国に渡ったので、雨に濡れながら部屋を探しましたね(笑)。場所はシンチョンという、比較的たくさんコシウォンがあるといわれる街でした」

日本では、東京で一人暮らしをしていたという髙田さん。一人暮らし、とはいえ、住んでいたのはひとつの住居に複数人がシェアして暮らす賃貸住宅。
「友人同士で借りたわけではないので、ほかの部屋に住んでいるのは知らない人。一人暮らしだけど、一人暮らしじゃない、特殊な感じでした。東京でシェアハウスを選んだのは、そもそも僕は“人”が好きだから。新しい交流ができるのも決め手だったし、ひとりで部屋を借りるよりも、手続き上、楽だったんですよね」

2017年のデビュー以降は、所属事務所が管理する物件に入居した。
「韓国は、一般的にアイドルでも俳優でも、デビューしたら会社が準備してくれる宿舎に入居します。そして昨年、会社を出ることになり、そのタイミングで自分の家をちゃんと探そうということになりました」

韓国に来て7年目にしてはじめて、きちんと自分で家探しをすることになった髙田さん。不安はありながらも、新しい生活の始まりに、とてもワクワクした気持ちがあったことを覚えているという。部屋を決める際のポイントやこだわりはあったのだろうか。
「まずは部屋数ですね。最初からSANGGYUNとふたりで住む前提で探し始めたので、2部屋は確実に必要じゃないですか。あと僕は絵を描くので、作業部屋が別にあったらいいな、と。服も多いので、大きなクローゼットも必要。ただ、今ソウルはすごく家賃が高騰しているので、そういう条件で探しても、なかなか理想通りの部屋は見つかりませんでした。結果的に、自分の部屋とアトリエとはひとつにすることにして、現在のマンションに引っ越すことに。韓国の住居は“アパート”が日本でいうマンション、“ビルラ”が日本でいうアパート。マンションとはいえ、築年数も経っているし、浴室もユニットバス。でも、共有部分でお互いに不満なところは特にないですね」

というのも、髙田さんとSANGGYUNさんは、宿舎時代から合わせると、共同生活をはじめて5年以上。生活するうえでのルールなどは、あらかじめしっかりと設けることはせず、お互いが暮らしやすいように徐々に決まっていった。
「SANGGYUNはあまり家に対するこだわりがなくて、モノも持たないし、服も多くない。どちらかというとミニマリスト的な志向なんです。逆に僕は服もいっぱいあるし、収集癖もあるので、家は僕基準で決めさせてもらいました。ルールは、本当に基本的なことだけ。“使ったものは片付けよう”とか(笑)。あとは、共通の知人を家にあげるのはOKだけど、お互いに知らない友だちを呼ぶのはやめておこう、という暗黙のルールはありますね。家に招き入れるのは、お互いが知っている友人だけにしています」

現在の家に引っ越して、一年半ほど。自分で決めた家とあって、当初は家具や照明など、いろいろと理想的なインテリアを考えていたが、実際はなかなか難しかった。
「まず、実際問題としてスペースが少ないんです。もともとはクローゼットではないところをクローゼットとして使用していたり。でも、どうしたら小さい部屋ながらうまく収納できるのか、“こうしたらもうちょっと置けるな〟と考えて、配置を徐々に変化させながら、工夫しています」

部屋の中でも特に気に入っているのは、ベッドサイド。
「ベッドサイドには、花器や観葉植物など、僕の好きなものを置いています。ぬいぐるみは、2年前に帰省したときに実家で見つけたもの。僕は覚えてないのですが、小さいころ、これがなかったら寝られなかったらしいんですよ。久しぶりの出会いをしたので、韓国に持って帰ってきました」。

もうひとつはアトリエ代わりの作業スペース。同じ部屋の中ではあるけれど、髙田さんが自分自身と向き合うための大切な空間でもある。
「すぐ隣にベッドがあったりするので、メリハリを付けることは、慣れるまでは大変でした。今では大きなスピーカーを置いて音楽を流したり、間接照明だけにして雰囲気を作ったりして、気分を乗せています。月にひとつSNSを通して作品をアップロードするプロジェクト『月刊MADE in KENTA』の制作などに深夜励んでいます」

忙しい日々のなかで、芸能活動と並行し、アーティストとして作品も生み出し続けている髙田さん。仕事とプライベートの時間の使い方も工夫している。
「芸能人もフリーランスの一種。特に制作活動に関しては、自分でスケジューリングしないといけません。僕はもともと、めちゃくちゃ計画的に動くタイプだったんですが、あるときそんな自分にすごく疲れてしまったときがあって。その日その時に決めて動くのもアリだよなって思えるようになったら、気持ちも楽になりました。家では制作に没頭し、事務的な作業のときはカフェに出かけたり、近所を散歩したりして気持ちを切り換えるようにしています。近くの川沿いがランニングコースになっているのですが、そこのベンチに腰かけて読書したりも。10月くらいは気候もよくて、ひなたぼっこできて気持ちがいいんです。韓国は、これからぐっと寒い時季に入ってしまいますけどね」

生活するうえで、特に“何もしない〟という時間を作ることが、髙田さんにとっては大切だ。
「頭をからっぽにすることで浮かんでくるアイディアがあるので、僕のライフスタイルの中で、瞑想するような時間はすごく大事にしています。実は昨日も行ったんですが、例えばサウナで整うことも、一種の瞑想だと思っていて。サウナに入って水風呂に浸かって寝っ転がることで、すごく頭がクリアになる。サウナに行ったり、外に出かけたり、家で瞑想したり…そういう時間を、毎日ではなくても、なるべくルーティン化させるように意識しています」

先日、初めての写真集が発売されたが、中には髙田さんが撮影したそんな何気ない日々の写真が多く掲載されている。
「カメラを買って撮影し始めたのは2019年ころ。当時、アイドルとしての自分と、素の自分にギャップを感じて葛藤していました。写真は僕が見たままを写し出してくれるし、素敵だな、と思ってカメラを構える、そのひと呼吸置く行為自体も好きなんです。絵と同じで、自分を素直に表現するツールのひとつ。最近はSNSが普及して苦悩を吐露する場も増えたけれど、やっぱり芸能人はポジティブできらきらしたところを求められることが多くて。そういうところももちろんお見せしたいけれど、葛藤や悩みも抱える普通の僕たち、韓国の年齢で28歳になる、等身大の僕たちの姿を収めています。ぜひ手に取ってみてもらいたいです」

デビューしてから、休む暇なくずっと走り続けていた髙田さん。昨年からは暮らし方も変え、少しずつ、自分のペースで活動ができるようになった。内省する時間が増えたぶん、自分のいいところや悪いところ、課題点にも気付くようになり、周りのことにも目を向けられるようになった。
「今後も自分軸は大切にしていきたいですし、ゆとりのある生活は、今後自分のベースとしていきたい。というのも、自分にまずフォーカスを当てて、自分が自分のために何かをやってあげないと、ほかの誰かのために動くことができないと思うからなんです。自分のためだけで精一杯になってしまう社会だからこそ、そこでどういうふうに自分のための時間を作ってあげて、そんな自分が今度は誰のために何ができるのか。そういう考え方をすることは僕のなかでも課題だし、みなさんがそうすることで、きっともっといい社会を作っていけるんじゃないかと思うんです。今の小さい子ども達に対して希望を持てる社会を作っていくことは、僕らの世代の役目じゃないかとも思うので、そういった課題に対して、僕がどう貢献していけるのか、ということを、日々考えています」

仕事とクリエイティブな活動に奔走しながら、周りにも目を向け、ブレずに自分らしく、丁寧に生活する。そんな真摯な姿が垣間見れた。


INFORMATION
KENTA・SUNGGYUN写真集『28』(発売中)
KENTA・SUNGGYUN写真集『28』(発売中)
「裏テーマとして、10年後、20年後に僕たちがこの写真集を見返したとき、辛いことや悩みもあったけど、いい思い出だねって振り返ることができる、日記のような感じで作りました。僕たちだから作れる、意味のある写真集になっていると思うので、ぜひ手に取ってみてください」(KENTA)|価格:3,600円(税込)|発売・販売元:ローソンエンタテインメント/販売:全国のHMV、HMV&BOOKS、HMV&BOOKS online、全国のローソン店頭のLoppi端末
INFORMATION
KENTA・SANGGYUN MINI CONCERT in JAPAN「Dear my friend -夕暮れの交差点で君と会う-」
KENTA・SANGGYUN MINI CONCERT in JAPAN「Dear my friend -夕暮れの交差点で君と会う-」
【大阪公演】2022年11月22日 (火) |1部 14:00開場 / 14:30開演|2部 18:00開場 / 18:30開演|大阪サンケイホールブリーゼ 【東京公演】2022年11月27日 (日) |1部 13:00開場 / 13:30開演|2部 17:00開場 / 17:30開演|恵比寿ザ・ガーデンホール
  • Photo/Shim Kyuta
  • Snap photos/Kenta Takada
  • Edit & text/Shoko Matsumoto
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