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ガレージはアウトドアリビング!家族の笑顔と宝物に満ちる場所。
GARAGE LIFE 2022.12.13

ガレージはアウトドアリビング!家族の笑顔と宝物に満ちる場所。

車庫や物置という本来の用途を超え、住む人の“偏愛”を大きく飛躍させるガレージ。ガレージのある家に住む人は、どのようにガレージを活用し、趣味を深めているのか。今回はガレージをアウトドアリビングとして使い、家族の時間を謳歌する、川原さんファミリーの住まいへ。ヴィンテージの家具や雑貨に彩られた空間から、ガレージと趣味の関係性を探ります。

INFORMATION
川原 飛鳥さん
川原 飛鳥さん
かわはら・あすか|夫と娘ふたり、愛犬のダブとの4人+1匹暮らし。プロップスタイリストとして活動するかたわら、夏季には住まいの近くにあるアンティークショップの一角でかき氷屋さんをオープン。

マンション暮らしから一転。思いがけず、ガレージ付きの一軒家へ。

川原さんファミリーの住まいがあるのは、山の麓に位置する緑豊かなエリア。かつては東京23区内のマンション暮らし。自然のある環境を求めて引っ越したのかと思いきや、答えはNO。川原さんは転居の理由について「降って湧いたような話だったんです」と振り返る。

「ここに引っ越す以前は、戸建てを持とうなんて考えたこともなくて。賃貸のほうが身軽、くらいに思っていたんです。それが知人に今の住まいを紹介され、一気に方向転換。この家には在日アメリカ人の方が住んでいたらしく、開放的な間取りもアーチ型のドアや窓もユニーク。日本ではあまり見掛けない造りに一目惚れしました」

ふとしたきっかけから決まった、戸建ての購入と引っ越し。その副産物として付いてきたのが広々としたガレージだった。以前は都心で生活していたことから、そもそも車を持っていなかった川原さん。引っ越しを機に車を購入したものの、駐車スペースは広大な庭で十分に事足りる。

「ガレージ付きの住まいなんて、思ってもいなかったこと。だからこそ、どのように活用しようか、いろいろと考えました。夫は音楽が好きなので防音のスタジオにしようか、なんて話もしましたが、想定外のことにお金をかけるのはちょっと不本意(笑)。私たちからすると“おうちの外にも部屋ができた”くらいの感覚なんです。ちょっとかっこよく言い換えれば、ガレージは家族のアウトドアリビングですね」

収納場所から遊び場まで。家族に寄り添う、自由なガレージ。

思いもかけず、手に入れたガレージ。想定外のことだけに用途を決め込むことはせず、使い方は自由。家族そろってのんびり過ごすのはもちろん、友人を家に招いたときにはガレージでのBBQでおもてなし。さらにはアウトドアリビングという野外の要素を存分に生かし、焚き火を楽しむこともあるという。

「家族みんなの憩いの場所であるのと同時に、実は物置も兼ねています(笑)。私は仕事柄、どうしても物が多くなりがち。でも、私にとってはどれもが大切で、なかなか捨てられなくて。このガレージは、収納場所に困った家具や雑貨を生かせる場所でもあるんです」

川原さんの仕事とは、プロップスタイリスト。あらゆる雑貨を用いながら空間演出を手掛けるプロだ。例えば、ガレージにディスプレイされた花々はスタイリングに用いた造花であり、スペースの中央にレイアウトされたソファは前の家主の置き土産。川原さんファミリーのガレージは、行き場をなくしつつも捨てられない品々にあふれている。

「物置であるがゆえ、ですよね。子どもたちが遊ぶにも最高の環境です。お絵かきをするときも、リビングやダイニングだと家具に落書きをされないかヒヤヒヤですよね。でも、ガレージにある家具は、一度は役目を終えたアイテムたちなので汚されても気にならないし、ガレージはあくまでもアウトドア。屋内ではなく、外の感覚なんです。娘たちはガレージの床にお絵かきをしたり、のびのびと遊んでいます」

宝物たちをパズルのように組み合わせ、唯一無二のガレージに。

ガレージはもちろん、川原さん自身にとっても憩いの場所。ヴィンテージのマガジンラックにはお気に入りのアートブックや雑誌が並び、ソファに腰掛けながらじっくりと目を通す。ガレージと庭は地続きとあって、遊び回る子どもたちの気配を感じられるのも大きな利点。子どものことを見守りながら、同時に自分の時間を満喫できる。

マガジンラックの調達先がそうであるように、川原さんの趣味は掘り出し物探し。各地のガレージセールや蚤の市、ガラクタ市やフリーマーケットを訪れては、自身の感性にマッチするアイテムを吟味。ガレージを彩るのも、各地から掘り出したアイテムたちだ。


「お金をかければ、いくらでもいい物が買える。でも、お金をかけずにいい物を見つけ、いい空間をつくることが楽しい——。私が尊敬する女性の言葉です。この言葉に感銘を受けたことが、掘り出し物探しの始まりですね。新品じゃなくても高級品じゃなくても、世の中には素敵な物がいっぱい。それを見つけ出すことが楽しくて」

なかには友人から贈られた大事な雑貨も顔を出し、ガレージにあるすべてが川原さんにとっての宝物。仕事の道具も掘り出し物もギフトも、種々雑多な宝物たちをパズルのように組み合わせ、その結果がガレージに漂う独特の世界観とムードだ。

いつか暮らしのアイテムになる、ガレージに詰め込んだ宝物。

「繰り返しになりますが、車も持たずに生活していた自分たちがガレージのある家に住むなんて、想像もしていなくて。それが今では家族にとっても私にとっても大事な場所。我が家から都内までは距離があるため、外出の機会は前よりも減ったんです。その分、ガレージが子どもの遊び場としても、家族の時間を過ごす場所としても活躍してくれています」

この家の今後については、「知人の紹介をきっかけに今の住まいを購入したように、私は流れに身を任せる性格なんです(笑)」と川原さん。つまりは、これからの住まい像についてもケセラセラ。

「とは言え、娘たちが大きくなるにつれ、自然と生活スタイルが変わるはずだし、部屋のインテリアも変わっていきますよね。そうしたときには、今はガレージにある家具や雑貨が別の形で生かせるはずです」

ガレージを彩る、捨てるに捨てられない大切な宝物。近い未来、その宝物たちが今度は居場所を変え、家族の暮らしを支えるアイテムになる。

  • Photo/Takahiro Kikuchi
  • Text/Kyoko Oya
LL MAGAZINE