アトリエとガレージを備えた狭小住宅で送る、仕事&趣味ファーストな暮らし。
日常を特別にしてくれるアウトドアリビングを採用したり、自宅の一角にサウナをビルドインしたり、壁に防音材を敷き詰めて部屋を丸ごとライブスタジオにしたりと、大きく様変わりしている家の在り方。そこでLIFE LABELでは「◯◯◯ in da house」と題し、自宅に“好き”を体現する人たちの“趣味(仕事)部屋”を取材。 今回は、趣味のバイカーライフを満喫しながら職住一体の空間で映像制作に励むビデオグラファー、田代さんの住まいにお邪魔した。
- 田代理雄(ビデオグラファー)
- たしろ・りお|1998年、神奈川県生まれ。大学在学時に動画撮影・編集のキャリアをスタート。卒業後は一般企業に勤めながら副業フリーランスで映像制作を行ない、今年会社を退職。ビデオグラファーとして生計を立てている。趣味はバイクとアート制作。
- Instagram - @rio_tashiro
趣味に寄り添った、バイクガレージのある暮らし。
幼少時代からタイヤのついた乗り物に目がなかったという田代さん。「クルマの方が関心度は高かったんですけど」と当時を振り返るが、18歳でクルマに乗るか、16歳でバイクに乗るか、そんな免許取得可能年齢を天秤にかけた結果、彼は早くから実現できる後者を選択。16歳で中免(普通自動二輪免許)を取得し、晴れてバイクデビューを果たした。
バイカーになり、かれこれ10年。「これまでに何台のバイクを?」と、愛車遍歴を探ろうと何気なく投げかけた質問だったが、思わぬ返答に耳を疑う。
「18歳で大型二輪の運転免許を取得し、これまでに乗ってきたバイクは全部で16台。いろんなジャンルに乗ってきました」
現在の愛車は計3台。メインで乗っている<Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)>のショベルは、自宅1階のバイクガレージ内に格納し、ゲタ車として所有する2台のスクーターは玄関前に駐輪していた。
言うまでもないが、田代さんが住まいに求める最大の条件こそ、この“バイク置き場があること”である。
バイクガレージはバイクを停めておく機能だけでなく、愛機をカッコよくディスプレイする場ともいえる。モルタル床×白壁のシンプルな空間は、バイクの魅力をより一層引き立て、さらにはインテリア欲も掻き立てる。
スチールラックには、日々のメンテナンスに活躍する工具・ウエスなどのほか、モデルガンやフィギュアなどをさりげなくレイアウトすることで遊び心あふれる空間に昇華した。
随所に感じる、愛らしい内装とアイテム選びもポイント。
趣味全開なバイクガレージを通過し2階へ足を運ぶと、意外と言ってはなんだが愛らしい寝室が見えてきた。
「寝室の入り口がアーチ状になっていたりと、北欧テイストな造りも気に入っていて。向かって反対側が水回りになっているんですけど、猫足のバスタブも可愛くてお気に入りです」
階層によって生活リズムを変える、3階建てメゾネットな暮らし。
「3階はダイニングキッチン。割と料理をする時間が好きなので、特に用事がなければ基本的に自炊しています。ジャンク好きそうなんて言われることも多いですが、案外そんなこともなくて、結構健康的なんです」
調理器具はダクトに吊り下げるなど、デッドスペースをうまく活用。キッチン前にレイアウトしたスツールは、「作ってすぐにここで食事を済ませられるので」という理由から。
「そして3階の一角を仕事場にしています。各フロア合わせて約30㎡なので決して広くはないですけど、3階建てという性質上、居住空間が階層ごとで切り離されるので、階を跨ぐことで頭が切り替わって仕事にも打ち込めます」
田代さんの職業は、フリーランスのビデオグラファー。ディレクションから撮影、編集まで、映像制作のワークフローをひとりでこなし、手がけるジャンルもブランドなどのプロモーションからアーティストのミュージックビデオ、ドキュメンタリーなど、多岐にわたる。
フリーランスと聞くと、働き方の自由度が高い分、不規則になりがちなイメージもある。大変そうにも感じるが、田代さん「好きで始めたので、辛いと思ったことは一度もない」と一蹴。
「カメラを握るようになったのも、元を辿れば趣味の延長で。きっかけは、小学生の頃に父親が何かとカメラを持たせてくれて、ことあるごとに思い出として撮っとけなんて言われて写真を撮っていたんです。動画を撮るようになったのは、大学在学中ですかね。自分のブランドを立ち上げた際、プロモーションの一環でクリップを作ってみたんです」
「僕が始めた当時、動画編集は今ほどカジュアルじゃなかったんですよ。だからこそ新鮮で、友達に完成した動画を見せると、『うわ、すげぇ!』って喜んでくれるのが嬉しくて。それで動画編集を続けていたら、<YELLA FLAT BOYS(イエラ・フラット・ボーイズ)>っていう3人組のヒップホップユニットがあるんですけど、メンバーのひとりが僕の幼馴染で、『ちょっとリオ、MV撮ってみてよ』と……。ビデオグラファーとしてお給料をもらったのは、それが最初かな。好きで始めたことだから、ずっと楽しくやれていますよ」
趣味を仕事にした田代さん。カメラを握る職業柄、普段は“黒子”に徹しファッションはできるだけシンプルなものを選ぶようだが、その反動からか、インテリアには派手なエッセンスを取り入れる。
発色の良いデスクチェアは、<ハーマンミラー>のセイルチェア。そこに陽気なオレンジの格子柄ラグを合わせ、さらに自身で描いたアクリルアートを飾ることでオリジナティを表現。
いつかマイホームを建てるなら、今の暮らしをそのままスケールアップ?!
「ひとり暮らしなので、今のミニマムな家での暮らしに大きな不満はないんですけど、いつかは間取りとかにもこだわってバイクガレージ付きの家を建ててみたいですよね」と、妄想を膨らませる田代さんに<LIFE LABELの家づくりアプリ>を少しだけトライしてもらった。
ハーレー乗りの家づくりとなれば、目指すはやはりアメリカンかつヴィンテージな空間なのだろうか。「以前まではそういう空間も好きだったんですけど、今はどちらかというとシンプルかつスタイリッシュな内装を自分らしく装飾するほうが楽しくて。ホテルライクな内装にしてみるのも面白そうだなとか最近考えています」
アプリ内では、「LIFE LABEL」の住宅に関してはもちろん、田代さんが気になっているガレージテイストやホテルライクなお家サンプルや家づくりの参考になるコンテンツ、暮らしのアイデアを見て、自分の“住みたい”をイメージできる優れものだ。
「自分がいいなって思うインテリアは、海外の方が多くて、なかでもDJのZEDD(ゼッド)の家には憧れますね。レコーディングスタジオが完備されていて、リビングの延長線上に屋外プールやジャグシーがあって、加えて眺望も抜群で。僕は全然アウトドア派とかじゃないんですけど、もし家を建てられるのなら、そういったアウトドアリビングを3階に、プライベート空間を2階に、そして1階をバイクガレージに。まさに今の住まいをスケールアップした、そんな家を建てられたら最高ですね」
- Photo / Ryosuke Yuasa
- Text / Chihiro Ito(GGGC)
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