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光のきらめきもウッドの家具も、暮らしの“心地よさ”をハンドメイド。
FASHION 2024.11.25

光のきらめきもウッドの家具も、暮らしの“心地よさ”をハンドメイド。

Yuikaさんはハンドメイドアーティスト。なかでも、クリスタルのきらめきが美しいサンキャッチャーが注目を集めている。彼女の自宅の窓辺にも自らが手掛けたサンキャッチャーが優しく揺れ、そこは視界に入るすみずみまでもが心地いい空間。その心地よさの秘密を探りにお邪魔した。

INFORMATION
Yuika Yasuzawa(ハンドメイドアーティスト)
Yuika Yasuzawa(ハンドメイドアーティスト)
やすざわ・ゆいか|ハンドメイドアーティストとして『daisy doe』を運営。クリスタルやシルバーを用いたアクセサリーや雑貨の制作を手掛ける。映像や写真のクリエイターとして活動するパートナーと愛犬のルーナと共に、関東近郊の住宅地に建つ一軒家に暮らす。

にぎやかな都会よりも、自然豊かなのどかな場所が好き。

Yuikaさんは『daisy doe』という名のブランドを運営する、ハンドメイドアーティスト。クリスタルやシルバーを用いたアクセサリーや雑貨を手掛け、その制作拠点は彼女の自宅。Yuikaさんはパートナーと愛犬のルーナと共に関東近郊に建つ2階建ての一軒家に暮らし、住まいの一室に自らのアトリエスペースを設けている。

「ここに引っ越してから1年半くらいになります。決め手は立地と部屋数の多さ。最寄りの駅から徒歩圏内、間取りは5LDKです。一緒に暮らしている彼も自宅で仕事をすることが多いので、それぞれの制作スペースを持てることは絶対条件。それに、私は都会が苦手なんです。ずっとにぎやかな場所にいると疲れてしまって(苦笑)」

一方、Yuikaさんが暮らす一軒家を取り囲む環境は、いかにも穏やか。最寄り駅から自宅までの道すがらにはのどかな公園がたたずみ、それでいて東京都心までは電車でもクルマでも1時間程度。たまの上京も苦にならない。

「繁華街が嫌いなわけではないんです。でも、根本的には都会よりも自然のある場所に惹かれます。彼と一緒に暮らし始めてからは、一緒に出掛けるのは長野や茨城の青空マーケット。旅行先にしても、一番のお気に入りはオーストラリアのバイロンベイ。海に面していて緑も多く、“ヒッピーの聖地”とも呼ばれている小さな田舎町です」

目に“心地いい”空間を形づくる、ウッドとラタンの家具。

都会よりも、自然のある場所が好き——。そのことを物語るのは、住まいの立地だけにあらず。彼女の自宅に金属製の家具はほとんど見当たらず、キャビネットもテーブルも、ちょっとしたストレージボックスも、ナチュラルな木製、もしくはラタン製。それぞれに濃淡の異なるブラウンの家具や雑貨に、植物のグリーンがみずみずしく映える。 

「好きなものに囲まれていると落ち着くし、集中できます。ウッドやラタンの家具ばかり選んでいるのも、単に心地いい部屋づくりを意識した結果なんです。反対に少しでも違和感があると気が散ってしまうので、毎朝のお掃除は絶対(笑)。朝起きて、ルーナと一緒にお散歩をして、コーヒーを淹れて掃除機をかけて、そこから1日が始まります」

そのモーニングルーティンに欠かせないのが、ヨーロッパから取り寄せたという、本格的なエスプレッソマシン。これがあれば、きめ細かなスチームミルクもお手の物。YuikaさんはYouTubeの動画を参考にハートのラテアートも習得し、「もともとはカフェ巡りが趣味だったのに、今はこれで十分。朝から気分が上がります」とはにかむ。

聞けば、Yuikaさんは完全なる朝型人間。夜10時にベッドにもぐり込み、朝6時には起床。毎朝のルーティンを完了させたあと、朝8時には制作を始める暮らしを送り、その理由もまた、彼女にとっての“好き”と“心地よさ”にある。

「お日様の光が好きなんです。でも、これが唯一の欠点ですね。今の家は午前中の短い時間しか、自然光が入らなくて。なので、私にとっては午前中が勝負どころ。お日様の光を感じられるうちにアトリエにこもって、めいっぱいに集中していると、気づけばお昼過ぎ。夕暮れどきにはクタクタで、日が暮れたらオフモードの生活です(笑)」

ふと心を和らげる、揺れるサンキャッチャーのきらめき。

Yuikaさんが、いかに太陽からエネルギーを得ているのか。それは彼女が手掛ける『daisy doe』からも見て取れる。Yuikaさんの手仕事によって生み出される作品のうち、シグネチャーとも言えるのがサンキャッチャー。シルエットもサイズも異なるクリスタルが幾重にも連なり、窓辺に差し込む太陽の光を受けては、きらきらときらめく。 

「サンキャッチャーって、“レインボーメーカー”とも呼ばれているんです。クリスタルが受け止めた太陽の光が乱反射して、虹ができて、その虹が空間を浄化させてくれるという、おまじないのインテリア。これには私自身も癒されています。制作に集中しているとき、視線の端にちらっと虹が映り込むと、自然と心がほぐれる気がして」

自宅の一室をアトリエにするYuikaさんのライフスタイルは、職住一体。世間的にも在宅ワークが浸透した今、いかに上手にオンとオフを切り替えるかは重要なトピック。しかし、Yuikaさんはサンキャッチャーが受け止めた太陽光の乱反射により、おのずとリフレッシュできる。部屋に彩りを添える装飾が、住む人の心も癒やしている。 

「それに私にとってはDIYもリフレッシュの行為です。きっかけはコロナ禍でした。どこにも行けずに気が滅入って、仕上がりの完成度を追求するより、完全にストレス発散の感覚(笑)。それが今も続いていて、DIYはひとつの趣味かもしれません。作品の制作よりも気軽に、それでいて“部屋にあったらいいな”を自由に形にできるので」 

アクセサリーも未来の展望も、“心地よさのお裾分け”。

何を隠そう、ルーナのケージもキッチンにセットされたスパイス用のラックも、ダイニングの壁にアクセントを添えている飾り棚もYuikaさんのDIY。さらには既製の机に棚板をプラスし、アトリエのワーキングデスクもL字型にカスタマイズ。Yuikaさんは自らの手仕事により、暮らしの場所をより心地よく、つくり変えている。 

「暮らしの何気ない心地よさを大事にしたい。それは私が制作しているアクセサリーや雑貨も一緒です。私の作品によって誰かの人生を変えたいなんて、おこがましいことは微塵も思いません。でも、身に着けていたアクセサリーが目に入ると、ちょっと心が弾んでほぐれる。そんな、目に心地いい作品をお届けできたらな、と思っています」 

そう話してくれたYuikaさんに、今後の展望について尋ねてみた。すると、返ってきた答えは「近い未来か、遠い未来かわからないけれど、いつか、アトリエを併設したカフェを開きたくて」。これもまた、Yuikaさんなりの“心地よさのお裾分け”。彼女にとっての心地いい場所を開放し、人々を招く。それが実現する日が待ち遠しくなる。 

  • Photo/Takahiro Kikuchi
  • Text/Kyoko Oya
LL MAGAZINE