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憧れの映画ごはん
FOOD & HEALTH 2018.03.16

憧れの映画ごはん

インテリアスタイリスト 大谷優依

インテリアスタイリストや、セレクトショップのキーマン、クリエイターなど、さまざまな分野で活躍する「ライフスタイルのつくり手」をゲストに迎え、「飾ること」「暮らすこと」にまつわる、とっておきのアイデアや工夫を紹介していただく連載コーナーです。

こんにちは。

インテリアスタイリストの大谷優依です。

 

実は映画好きでして、時間が出来るとまとめて数十本の映画を観たりします。

インテリアスタイリストという職業柄なのか、

映画のストーリーよりも、部屋のインテリアや暮らし方や食べ物の方がついつい気になってしまうのですが、

今回は、私のお気に入りの映画の中にでてくる印象的な食べ物をご紹介したいと思います。

『クレイマークレイマー』のフレンチトースト

「フレンチトースト」を食べる時、わたしは必ずこの映画のことを思い出します。

はじめてこの映画を観たときには、

アメリカ料理の大胆(大雑把)なところに驚きつつも、その大雑把にすこし憧れた映画でもあります。


 1979年公開のアメリカ映画なので、少しノスタルジックな雰囲気がある映画です。

ストーリーは、母親が家出をしてしまい、家事が全くできない父親と7歳の少年ビリーが暮らすお話。

 

はじめに父親の作るフレンチトーストは、散々なものなんです。

(マグカップにはいったミルクに食パンを突っ込んでしまうところなどは、アメリカ映画っぽい。ここに憧れました。)


 ですが、最後につくるフレンチトーストは、

二人のコンビネーションぴったりなフレンチトーストになるんですよね。

ビリーは父親との別れを察して、泣きながら作るのですが…。

 

この写真は「FREAK'S HOUSE」の撮影の時に私が作ったフレンチトースト。

FREAK'S HOUSE」はアメリカの雰囲気漂うお家なので、

ダイニングテーブルにはフレンチトーストだろう!とこのメニューにしました。

 

 映画にでてきたとおり、

フレンチトーストといえば鉄のフライパンが美味しそう!

『SOMEWHERE』のエッグベネディクト

白いクロスとエッグベネディクトが似合う、ソフィア・コッポラ監督の大好きな映画です。

 

とっても爽やかな映像と、少しだけ切ない音楽。

最高です。

 

この映画も、父と娘の話。

ハリウッドスターとして多忙に暮らす父親の元に、前妻から娘を少しの期間預かって欲しいと言われ、

久々に会った娘とひと夏過ごすという、とても爽やかなストーリーです。

 

何がいいって、娘役のエル・ファニングが妖精のように透明感に溢れていて、すごく可愛いんです。

 

そんな可愛い娘が、まだ寝ているお父さんのために作ったエッグベネディクト。

最後に楽しそうにハサミでネギを切って上にかけるのですが、

アメリカでも万能ねぎあるんだ…とちょっと驚きました。

 

 マヨネーズベースの少し重たいエッグベネディクトは、酸味のあるオレンジジュースと良く合います。

娘は知ってか知らずか、ちゃんとホテルのルームサービスでオレンジジュースを注文しておくんですよね。

素晴らしい組み合わせです。

 

オランデーズソースも手作りすることをオススメします。

憧れちゃう爽やかな朝ごはんですが、予想以上に簡単にできました。

オレンジジュースも忘れずにね!

『魔女の宅急便』のホットケーキ

私がはじめてひとり暮らしをしたときに、キキの言葉を思い出しました。


「暮らすって物入りね…」

ほんと、食事ひとつにしたって色々なものが必要なのだと実感した頃でした。

私もキキと同様に、ホットケーキばっかり食べていたのが今となっては笑えます。

 

スタイリストとして独立した頃、よく魔女の宅急便を観ていました。

幼き頃に見たストーリーとは、違うストーリーに見えたんですね。

きっと魔女の宅急便とは、一人で頑張っていく人達に共感できる映画なのだと、その時に気が付きました。

 

「ぼくは毎日ホットケーキでも構わないよ!おいしいし」

そんなジジのような台詞を言ってくれる相棒がいたらいいですね。

シンプルな味のホットケーキに憧れてつくってみましたが、甘さひかえめだったので、ジャムをかけちゃいました 笑。

出来たごはんは、映画のストーリーを思い出しながら食べました。

 

みなさんも、是非お気に入りの映画ごはん作ってみてはいかがでしょうか。

新しい発見ができるかも。

INFORMATION
 大谷 優依 – YUI OTANI
大谷 優依 – YUI OTANI
多摩美術大学環境デザイン学科卒業。雑誌などのエディトリアルデザイナーを経て、インテリアスタイリストに。女性誌やライフスタイル誌、ブランドのカタログ、広告の世界でさまざまな空間演出を手がける。