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身近にある植物とともに暮らす。
GREEN LIFE 2022.02.01

身近にある植物とともに暮らす。

さとうゆみこ/フラワー&グリーンスタイリスト

豊かな暮らしの価値観やスタイルは人それぞれですが、素敵な暮らしをしている人に共通するのは、ものや出来事に対する、日々の丁寧なふるまい。そんな方々の暮らし方や働き方、部屋づくりのこだわりから、いま気になっているものまで。リアルな言葉と美しい写真で綴る、暮らしのヒントやアイデアをお届けします。

INFORMATION
さとう ゆみこ(フラワー&グリーンスタイリスト)
さとう ゆみこ(フラワー&グリーンスタイリスト)
さとう・ゆみこ|「green & knot」を主宰。フラワーコーディネート、企業のグリーンコンサルティングなど、植物にまつわるさまざまな仕事を行う。自宅で行っているフラワーレッスンも人気。

植物とともにある暮らしは、空間を豊かに彩るだけでなく、そこで暮らす人の心を豊かに育んでくれます。その穏やかな人がらが滲みでるようなフラワースタイリングで人気を集める、フラワー&グリーンスタイリストのさとうゆみこさんに、植物を暮らしに取り入れる方法や、ご自身のライフスタイルについてお聞きしました。

植物の成長を身近に感じることの喜び。

ー まず、お仕事について教えてください。

切り花、植物など、グリーンを使ったグリーンアドバイザーや、庭、ショールーム、企業のグリーンコンサルティング、フラワーレッスンなど、植物にまつわる仕事をしています。植物の何でも屋です(笑)。

ー 花と出合ったきっかけを教えてください。

高校時代にフラワーアレンジメントを習ったのがきっかけでした。父も植物が好きだったので、こどものころから自然が身近な環境で育ちましたが、こどもの頃はそこまで植物には興味がなくて。学校を出てからは地元・福岡の建設会社に就職しました。でも、その会社の近くに花の専門学校があり、学生時代に花を始めていたこともあって、そこに夜間で通い始めたんです。卒業と同時に会社も辞めて、それからは花の仕事をしています。

ー 花に関わりはじめた当初は、どのようなお仕事をされていたのですか。

まちにある花屋で働いていました。東京に出てきた当初も花屋で働き、その後フリーになるまではインテリアショップで働いていました。

ー さとうさんにとって植物とはどのようなものでしょう。

食べ物や衣服など、私たちの生活を取り巻くものの多くが植物から出来ていて。土の中で種から芽が出て、葉や茎が育ち、花が咲いて実になって……という、その全てを私たちはさまざまなかたちで自然に生活へ取り入れて暮らしています。だからあって当たり前なものであり、身近に感じられることが心地よいものでもあると思っています。単に、植物を飾ることが好きというのとはちがう気がしていて。植物は飾るだけでなく例えばハーブのようにお料理にも結びついていますよね?そんな風に植物は生活の一部で、みんな植物と関わって生きているんです。私が植物にひかれるのも、その成長を身近に見る心地よさや、喜びがあるのかなと思っています。

ー インテリアに花を取り入れるアドバイスはありますか。

実は植物をインテリアとはあまり考えていなくて。私にとって植物は好きだからある、その一言に尽きます。だからインテリアとして植物を買うときに、ここに背の高いものを置きたいからとか、ある特定の場所を想定して植物を買うのではなく、「植物を育てたい」という思いで買うことが多いです。動かしやすい小さなものを暮らしに取り入れて、しばらく部屋の中で楽しんだら、次は光や風が通りやすい場所に移動してあげる。そんなふうに植物を楽しんでいます。

ー さりげなくインテリアにグリーンを取り入れるコツを教えてください。

移動が難しいので背の高い観葉植物は置きませんが、つり下げるのは好きです。目線の高さが上がって、背の高い観葉植物と同じようなインテリア的効果があるんですよ。

当たり前の中にある心地よい風景。

ー 鉢植えや切り花、つるしたもののなど、さまざまな植物がお部屋を彩っていますね。

原産地がことなるものを様々に楽しめるのも、インドアグリーンやガーデニングの醍醐味だと思います。ときどき「日陰でも育つ植物はありますか?」と聞かれることがありますが、日陰でも育つ植物はなくて。むずかしく考えずに、植物の好きな場所に移してあげるといいと思います。適度な光と風が通る場所に動かしてあげると、気持ちも風も通って、植物が生き生きとしてくるのを感じることが出来ますよ。部屋の中につるしていると家族には邪魔!といわれることもありますが、植物にとっても私たちにとっても、その方がコミュニケーションになっていいんです(笑)。
育てる場所と鑑賞する場所が異なるという考え方は、昔からある盆栽と同じなんですよ。

ー 盆栽もそうですが、下町の路地裏では、誰に見せるわけでもなく植物を育てていたり、日本人は昔から植物を身近に感じて生活していたように思います。

あの雰囲気、ものすごく好きです。よく見るとご近所同士で同じ花を植えていたりして、それってお店で買ってきたというよりも、ご近所から株分けしてもらったんだなと思ったり。昔からおばあちゃんが日常の中で育てているという、作り込んだものじゃないところがいいですよね。下町の植栽を見ている方が意外とアレンジの参考になったり、インスピレーションをもらうことが多いんですよ。

植物とともにある丁寧な暮らし。

ー 水をあげたり、陽に当てたり、日々の手入れを通して植物と向き合うことは、丁寧な暮らしと結びついていると思うのですがいかがでしょうか。

その通りだと思います。私のレッスンに参加していただいている方や、切り花を楽しんでいる方のお部屋はとても整理されてきれいです。そもそも散らかった部屋にはお花を飾ろうとは思いませんよね?なので、レッスンに来ていただく方には、どんなにきれいにアレンジが出来ても、お家でどのように飾るかが大切で、お部屋の雰囲気に合わなければ意味がないとお話ししています。それはずっと花の仕事をしてきた中で、学んだことですね。

ー さとうさんご自身が日常と丁寧に向き合っていると感じるのは、どのような時でしょう。

活けたお花の水を替えている時や、庭の植物に水やりをしている時、魚や鳥たちの世話をしている時など、それを楽しいと感じている時に感じます。それにも私なりのコツがあって、水替えや掃除も家の中の薄暗い場所やゴミ箱の前でやるのではなく、日当たりのいいベランダや、リビングのテーブルの上などでやると、ガラスの中のお水もキラキラときれいで、花も生き生きとしてくるんです。そうするとそれをやっている自分まで気持ちよくなります。よごれる前にお水を替えてあげると花も長持ちしますし、気分がぜんぜんちがってくるんですよ。それをめんどうと感じるのか、心地よいと感じるのか。丁寧な暮らしにとっては、楽しみながら日常を過ごすことが大切なんだと思います。

豊かさのある暮らしは、好きという気持ちから始まる。

ー 家にあるお気に入りのものや場所を教えてください。

この家のリビングとひとつながりになったベランダですね。今の家に引っ越しをして、リビングにつながるように後からリビングの高さにベランダをつけましたが、さらにアウトドアリビングがある家はとてもうらやましいです。リビングが広がったように感じられますし、なにより暮らし方も自由に広がると思います。ベランダは特別広くなくてもいいんです。ウッドデッキにしたり、少しあるだけでも気持ち的にものすごく豊かになることができます。今の私にとってはこのベランダがないと暮らしていけませんっていうくらい(笑)。もし、アウトドアリビングがあったら、そこで息子の髪の毛を切ったり、自転車を洗ったり、昔の家の縁側のように使ってみたいですね。

ー 「好き」がにじみ出ているようなお部屋ですね。

そうですね。もともとインテリアにはこだわりがあまりなくて、雑誌などでお部屋の写真をみるときも、その人らしさが感じられるお部屋についつい目がいきます。写真家さんであればカメラの道具、料理家さんであればまな板がいくつもあってと。その人らしさが感じられるお部屋が好きです。そこに置いてあるものも、インテリアショップで急ごしらえで揃えたものよりは、少しくらいチグハグ感があっても、若い頃から旅をしてきて少しずつ集めてきたようなものが自然とディスプレイになっているようなお部屋にひかれます。

ー では、最後に。さとうさんは、皆さんにどのように花を楽しんでもらいたいですか。

「初めてのお花や植物はどんなものがいいですか?」と聞かれることがあるのですが、まずは好きなものを買ってみることをおすすめしています。自分が好きだと思う植物の名前や原産地を知ることで、育てるのに適した環境を知ることができます。そんなふうに関わることで、植物と自然なコミュニケーションをとることができるようになります。だから、自分が好きだと思える花をまずは楽しんでいただきたいなと。入口はどんなかたちでもいいんです。お料理が好きな方はハーブから入ってもいいですし、お部屋にお花を飾ることが大好きな人は、切り花から入ってもいいと思います。そんなふうに植物が好きな人が自然に増えてくれたら、とても嬉しいですね。

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