空を眺めながら生活がしたい、から生まれた自然由来の家。
「BEAMS」から生まれた“外遊び”プロジェクトを発信する「HAPPY OUTSIDE BEAMS」が、「LIFE LABEL」の“外遊びを楽しむための家”「Sunny Track House(サニートラックハウス)」をプロデュース。では、一人ひとりが個性に満ちたBEAMSスタッフは、どのような暮らしを送っているのか。今回は庭園さながらのウッドデッキのある家に住む、足立 章紘さんの自宅に伺った。
- 足立 章紘さん
- あだち・あきひろ|店舗スタッフやマネージャーを経て、現在はスーパーバイザーの職に従事。プライベートでは大阪府に一軒家を構え、妻の由美子さん、愛息である双子の兄弟・弦多朗くんと桜多朗くんとの4人暮らし。趣味は園芸と骨董市巡り。
- Instagram - @akihiro_adachi
大きな窓を設けた理由は「空を見ながら料理がしたい」。
足立さんがマイホームを建てたのは、3年ほど前のこと。それでも玄関の扉を開くと、清涼感のある爽やかな香りが迎えてくれる。その香りの正体は、床をはじめとする住まいの随所に用いられた無垢のスギ。
「やっぱり、まだ香っているんですね。鼻が慣れのかな?僕たち家族はあまり気づかないのですが、家に友だちを招くと、必ずといって香りを褒められます。それに無垢のスギは、とにかく肌触りがいいんです。僕なんて、冬でも基本的に裸足ですね(笑)。スリッパはもちろん、靴下を履くのももったいなく感じてしまって」
しかし、家づくりを考え始めた当初は、一戸建ては視野に入れていなかったそう。大阪の都心部を中心に物件を探し、中古マンションをリノベーションする予定だったとか。それが大阪にも京都にもアクセス良好な土地を見つけたことから、戸建てへと方向転換。足立さんのマイホームが建つのは豊かな自然に程近い、閑静な住宅地。
「何よりも妻が心地よく暮らせることを大切に、家づくりを進めました。僕は帰宅が遅いので、家のことは妻に任せがち。家族の中心にいる妻が快適に過ごせることが、家庭円満につながるはずだ、と。キッチンのスペースを広く取り、アイランドスタイルにしたのも、妻の『空を見ながら料理をしたい』という希望があったからです」
アイランドキッチンの特長である開放感をより際立たせ、妻・由美子さんの希望を最大限に叶えているのが、キッチンの向かいに設えられた大きな窓。LDKを2階に配置していることから空の眺望が抜け、さらには植物が生き生きと枝葉を伸ばすウッドデッキの光景も、見る人の心を癒す。
庭園さながらのウッドデッキと、収穫も楽しい庭と。
「周辺は住宅地のため目隠しのフェンスは高めにしています。それでも自然に恵まれた環境を堪能できるよう、庭のように楽しめるウッドデッキを造作してもらいました。今となっては、なくてはならないスペースです」
緑のみずみずしさを感じられる庭のような空間をつくり出すべく、足立さんは造園のプロと共に試行錯誤。中には枯らしてしまった植物もあるものの、植え替えと工夫を重ねた結果、今ではご覧のとおり。ウッドデッキには、庭園さながらの光景が広がっている。
「小さなスペースですが、すごく気持ちいいんです。これは住んでみてわかったことですが、この辺りには野鳥が多くて。空の眺めはもちろん、鳥のさえずりまで心地いい。何の気なしにデッキに出てはボーッとしたり、昼寝をしたり。高めのフェンスのおかげで人目も気にならず、ここでパソコン仕事をすることもあるくらいです」
足立さんに何よりの充実感をもたらすのが、手間暇を惜しむことなく育てている植物たちの生長。「地植えを楽しめるのが、庭付き一軒家の醍醐味ですよね」と、足立さんは自慢のウッドデッキだけでなく、庭に植えた植物の世話にも精を出す。休日も庭の草取りや水やりに忙しいが、それがむしろリフレッシュになっているそう。
「庭をきれいに維持するのがこんなにも大変だとは、思ってもいなくて。でも、けっして苦じゃない。音楽を聴きながら草取りをしていると、あっと言う間に時間が過ぎています。特に庭に植えた木に実がなったときは、うれしさもひとしおですね。普段は植物に興味のない息子たちも、収穫のときばかりは嬉々として手伝ってくれて(笑)」
色合いの変化もちょっとした傷も、経年こそが味わい。
ウッドデッキも庭も、みずみずしい緑に囲まれた暮らし。自然の豊かさを感じさせるのは、足立さんが育てている植物に限らない。一家の住まいを形づくるのは、澄みきった香りを漂わせる無垢のスギを筆頭に多くが自然素材。キッチンまわりには水に強いヒノキを用い、和室の小上がりが設けられたリビングに選んだのは赤土の土壁。
「もしかすると、古着好きなことが影響しているのかもしれません。無垢材のような自然素材って、傷も付けば色も変わるし、時間が経つにつれて変化しますよね。それを劣化と捉える人もいますが、僕からすると味わいが増していく、ということ。着古した服はかっこいいという刷り込みがあるせいか、家の変化を楽しめるんです」
マイホームの完成から約3年。足立さんの住まいもまた、少しずつ表情を変えているという。生成りのニュアンスが強かった無垢のスギは次第に日に焼け、深みのある色合いに。リビングの土壁は赤みが落ち着きを見せ始め、足立さんは「特に床に関しては、ちょっとした傷が至るところにあります。でも、それが味ですから」と笑う。
「日の当たり方によって変色の度合いも変わるし、床の傷も元気な双子がいるからこそ。つまりは色の変化も傷も、この家だけのもの。ちょっとした変化に気づくたびに、自宅への愛着が増すんです。それに僕は古着だけじゃなく、雑貨も民芸品も一点物が好き。住むほどに味わいが増していく今の家は、味わいのある一点物がよく映えます」
足立さんの住まいを彩るのは、そこかしこに飾られた一点物。木製のカゴやボックスも見るからに風合い豊かなファブリックも陶器も、確かに無垢材や土壁の自然素材と調和し、穏やかでありながらも独特なムードを醸し出している。
もしも、Sunny Track Houseに住んだとしたら?
「妻が気持ちよく暮らせることを第一条件につくった家ですが、僕も息子たちも、この家を満喫しています。植物にはあまり関心のない息子ふたりも、結局は外の眺めが好きなんでしょうね。ダイニングテーブルでは、絶対にウッドデッキと外の景色が眺めやすい場所に座りたがるんです。一番眺めのいい席は、いつも争奪戦です(笑)」
自然の豊かさを間近に感じられる大きな窓とウッドデッキを主役に、住まいの素材にもネイチャーの要素をたっぷりと盛り込んだ足立さんのマイホーム。そんな住まいを謳歌する足立さん一家がSunny Track Houseに住んだとしたら、どんな暮らしを送るだろう?
「この造りは、まさに木の家ですね。それに友人が集まれる場所になりそう。友だちを呼び寄せて、食事をしたりお酒を飲んだり、寝転がりながら空を眺めるのも最高に気持ちいいはず。これはキャンプ好きの友人の言葉ですが、寝転がって空の移ろいを眺めることは最高の贅沢。このデッキなら、その贅沢がいつでも味わえそうです」
確かに、ゆったりと空を眺めることは最高の贅沢。「こぢんまりとした我が家ですが」と謙遜しながらも、足立さんのマイホームもまた、空を眺められる家。自宅にいながら自然を感じられる環境が、家族の暮らしを豊かにする。
- Photo/Yuki Nobuhara
- Text/Kyoko Oya
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