自然光が降り注ぎ、眼前に青空が広がるメゾネットタイプの住まい。
未来の住まいや暮らしを考えたとき、やっぱり妥協したくないのが日当たりと開放感。クリエイティブスタジオ「& Supply」を率いる井澤卓さんがメゾネットタイプの物件を選んだ理由もそこにある。降り注ぐ自然光と眼前に広がる青空を備えた、心地いい空間を覗きにお邪魔した。
- 井澤 卓さん(& Supply代表)
- いざわ・たく|空間にまつわるビジュアルデザインを幅広く手掛ける「& Supply」の代表を務め、飲食店やホームグッズブランド「MYTONE」の運営も行う。自身もクリエイターの顔を持ち、ペインティングアーティストとしても活動している。
- Instagram - @takuizawa
童心のわくわく感を呼び戻す、メゾネットタイプの遊び心。
井澤さんは東京を拠点とするクリエイティブスタジオ「& Supply」の代表を務める。グラフィックデザインからイラストレーション、壁画の制作から空間デザインまで幅広く手掛け、自社でも飲食店やホームグッズブランドを展開。
つまりは、あらゆるモノゴトをデザインするプロ集団。その代表である井澤さんが住まいに選んだのは、メゾネットタイプの賃貸物件。1階のLDKのみならず、2階も広々。トイレとバスルーム以外に仕切りのない、オープンな間取りだ。
「吹き抜けだからこその、日当たりの良さに惹かれましたね。それにメゾネットタイプの物件って、遊び心があると思うんです。例えるなら、子どものころに感じた2段ベッドのわくわく感。1階から見上げるような天井高も、2階からリビングを見下ろすような開放感も2段ベッドと同じような遊び心がある気がして」
青空が日常の背景になる、2階まで吹き抜けのガラス窓。
吹き抜けの構造がもたらしているのは、日当たりの良さだけにあらず。ご覧のとおり、2階まで吹き抜けのガラス窓の向こうには、青々とした空の景色。東京23区のマンションとは思えないほど、開放的な眺望が広がる。
「日当たりの良さも眺めの良さも、それってつまり、閉塞感がないということ。薄暗い部屋では気持ちも塞ぎがちになるし、眺めの悪い部屋では気分にメリハリが生まれない。反対に、ふと視線を移したときに明るい空の景色が視界に入ると、ちょっと心が躍りませんか? この心地よさって、とても重要なことだと思うんです」
「と言いつつ、僕自身はほとんど家にいなくて(笑)」という井澤さん。会社の代表としての業務はもちろん、自身もクリエイターの顔を持ち、さらには自社が手掛けるバーやカフェのカウンターにも立つことから、帰宅はいつも夜の時間帯。
「それでも、この開放的な眺めは欠かせません。家という暮らしの場所だからこそ、ですよね。朝起きて、2階の寝室からリビングに下りてくるときだったり、ダイニングテーブルで食事をしているときだったり、生活の一瞬、一瞬に窓の外の景色が目に入る。束の間の気持ちよさを大事にすることが、居心地のよさに直結する気がします」
手軽に空間のイメージを着せ替える、鮮やかなファブリック。
ほんの一瞬であっても、目の端に映る青空が居心地のいい空間をつくり出す。「自分たちが手掛ける飲食店に関しても、地下には出店しないと決めています」という井澤さんの言葉だけに、より説得力が増す。では、空間デザインのプロである彼は、自身の住まいをどう彩っているのか。
「店舗とは違って、自宅は生活の場所。飽きずに暮らせることが第一です。そのために意識しているのが、自然素材を取り入れること。ウッドをはじめとした自然素材は普遍的なモノだけに、長く目にしていても飽きが来ない。それにモノは多くは置かず、部屋の表情を簡単に着せ替えられるようにしています」
自然素材を取り入れるために、リビングの床はDIY。元の床材の上に、店舗設計の際に余った無垢のフローリング材を重ねているという。そして、部屋の表情を着せ替えるために活用しているのが、ブランケットや大判のタオルといったファブリック。井澤さんが手掛けるホームグッズブランドの主力アイテムだ。
「布はかさばらず、軽く、ストックしておくのも着せ替えるのも苦にならない。ラグを頻繁に取り替えるのは面倒だったとしても、ソファやテレビにかけるブランケットを替えるだけなら手軽ですよね。同じような感覚で、ポスターも重宝するアイテムです。ファブリックやポスターを替えるだけで、空間の印象がちょっと変わります」
井澤さんの言う“着せ替え”とは、今の気分に応じた、ちょっとした模様替え。常に変化し続ける空の景色を大きな背景に、部屋のイメージはこまめにチェンジ。その小さな変化が、飽きずに暮らすためのエッセンスになる。
住む人が心地よく暮らせる空間は、招かれた人も心地いい。
「昔から、人を家に招くのが好きなんです。人を家に招いて、一緒に食事を楽しむ。仕事柄、自宅でビジネスの話をすることもあります。でも、自宅というプライベートな場所だからこそ、より深く打ち解けられる。普段は自分や家族しかいない空間に人を招くって、それだけで特別感があると思うんです」
招いた人をもてなすため、井澤さん自身がキッチンに立って腕を振るうことも、料理のプロを呼ぶこともあるそう。そのおいしい食事はもちろん、眼前に広がる開放的な空の景色も、部屋に彩りを添えるファブリックもアートワークも、家主が心地よく暮らすための要素もまた、訪れる人をリラックスさせるのかもしれない。
デッキから空を眺める、「Sunny Track House」の暮らし。
吹き抜けのガラス窓をもってして、抜群の日当たりとワイドな眺望を可能にしている井澤さんの住まい。日々を心地よく過ごすため、開放感ある住まいを求める人におすすめしたいのが、「Sunny Track House」。
LIFE LABELとHAPPY OUTSIDE BEAMSが共につくった「Sunny Track House」は、より空に近い2階にLDKを配置し、リビングからシームレスにつながるウッドデッキを備えている。この家に住めば、ゆっくり空の景色を眺めることも日常の楽しみになるはずだ。
- Photo/Hisanori Suzuki
- Text/Kyoko Oya
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