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息子と愛猫と、のびやかに暮らす二拠点生活。
KIDS & PET 2024.09.12

息子と愛猫と、のびやかに暮らす二拠点生活。

イラストレーター、グラフィックデザイナーとして活動する三平悠太さんは、妻と子ども、愛猫と共に熱海へ移住し、東京との二拠点生活を送る。2つの土地を往来しながらも、彼のホームは熱海。その拠点たる自宅を覗いてみると、家族の暮らしもペットの快適さも、仕事にも妥協のないライフスタイルが見えてきた。

INFORMATION
三平 悠太(イラストレーター/グラフィックデザイナー)
三平 悠太(イラストレーター/グラフィックデザイナー)
みひら・ゆうた|デザイン事務所を経て、2022年にフリーランスに。企業広告や書籍、アパレルをはじめとする多様なイラストやアートワークを手掛けるほか、アーティストとしても精力的に活動。独立前の2021年に東京から静岡県熱海市に移住し、妻と息子、3匹の愛猫と共に暮らす。

東京から熱海へ、移住をきっかけに決めた独立。

三平さんはイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活動し、アーティストの顔も持つ。かつては東京を拠点とするデザイン事務所に所属するも、現在はフリーランス。そのきっかけとなったのが、熱海への移住だ。

「熱海は妻の地元なんです。結婚前から何度も訪れていて、すごく好きな街。海があって、山にも囲まれて、その環境だけでも気持ちいいのに、東京からクルマなら2時間、新幹線なら40分程度の距離です。しかも、昭和の温泉街の名残もあって、レトロなスナックや喫茶店が今も健在。ただ、魅力的な街だとは感じつつも移住までは考えていませんでした。」

それが一転したのが、息子のはるくんが生まれた2021年春のこと。はるくんの誕生直後に義父が体調を崩し、三平さん一家は熱海へ。この帰郷が移住につながり、ついには三平さん自身の独立にもつながっていく。

「しばらく熱海での生活を続けたことが、移住を考えるきっかけになりました。当時はちょうど、リモートワークが定着し始めた時期でもあったので、東京に固執する必要はありません。当初は熱海市内の古民家を買い取ることも考えましたが、妻の実家を二世帯住宅にして暮らそう、と決めました。」

子どもも猫ものびのび、移住を機に家族第一の暮らしへ。

家づくりの始まりは、いわば、突発的。何年も前から理想のマイホーム像を思い描き、それを具現化していくようなスタイルとは異なる。しかし、三平さんはイラストレーターであり、グラフィックデザイナー。常にあらゆるデザインにアンテナを張り巡らせている。

「会社員からフリーランスになったことで、以前よりも家族との時間がより増えました。熱海への移住をきっかけに、生活の拠点となる自宅も見直して、家族が気持ち良く暮らせるデザインにしたいと思うようになりました。」

かくして、家づくりのテーマは大きく3つ。子どもがのびのびと成長できること、愛猫である「ぶんちん」「おちょこ」「こふで」の3匹にも楽しい空間であること、自宅に招いた友人のためのゲストルームを備えること。

息子と愛猫と、のびやかに暮らす二拠点生活。

人懐っこく、家中を走り回っていた「こふで」。

息子のはるくんのための勉強机はリビングの一角に造り付け、通常よりも広く採った窓のふかしや窓枠の上に設けた天板は、愛猫のためのキャットウォーク。はるくんも、3匹の猫たちも窮屈さなく部屋を駆け回れるよう、既製の収納棚は取り入れず、三平さんの趣味とセンスがうかがえる雑貨たちは造作のウォールラックへ。

トイレの壁や家の1階と2階をつなぐ天井には三平さん自身が描いたイラストをウォールペーパーにし、住まいに遊び心と彩りをプラスしている。

家を理由に深まり、さらに広がっていく趣味がある。

「息子に窮屈な思いをさせないことはもちろん、猫たちにものびのびと暮らしてもらいたかったんです。熱海に移住する前は、賃貸のマンション暮らし。立派なキャットウォークをつくってあげられるほどの自由度はなく、猫もストレスが溜まっていたはずです。それが今では部屋を駆け回ることも昼寝もしたい放題です(笑)」

愛猫たちのために施されているのは、窓のフレームに設けられたキャットウォークだけにあらず。家に招いた友人の宿泊スペースとして、三平さんの住まいは屋根裏部屋まで完備。リビングと屋根裏をつなぎ、空間のアクセントとしても機能しているブルーに塗装された階段も、猫にとっては格好の遊び場であり、くつろぎの場所。

息子も猫ものびのびと暮らせるための工夫は床材にも。子どもやペットが駆け回っても足に優しく、なおかつ、部屋にスマートな印象をプラスできるモルタル調の素材をセレクトしている。

「もちろん、僕自身も今の家に満足しています。これは完全なる自己満足というか、イタリア料理のタリアータ(肉料理)とか、韓国料理のサムギョプサルとか、友人に豪快な手料理を振る舞って、“お〜!”と歓声を浴びるのが気持ちいい(笑)。これも、居心地のいいキッチンのおかげですね。最近は豪快から繊細へ、和食の勉強も始めたんです」

活動拠点も地域とのつながりも、もっと“ホーム“に。

「僕自身も息子ももっと地元に溶け込めるように、実は青年部に入会したんです。熱海が自分にとっての“ホーム”になった今、ここは“気持ちいい街”というよりも、“愛嬌のある街”というふうに印象が変化しています。青年部の会合となると、みんながめちゃくちゃ酔っ払って、その大らかさが愛らしいというか(笑)」

そう話してくれた三平さん、最近は少しずつ、熱海のさらなる活況に貢献できるような仕事も始めているという。すると、熱海の街は三平さんにとって、より色濃く“ホーム”になり、愛着を深めていくに違いない。

  • Photo/Kousuke Hamada
  • Text/Kyoko Oya
LL MAGAZINE