長く親しまれつづける、工業的な設えの空間。
インダストリアルデザインとは、工場や公共施設などの仕様をいかした空間作りのこと。工場や倉庫を連想させる無骨で重厚感のある見た目は、年齢や性別を問わず長く親しまれている。
その経年劣化による表情の変化を楽しみながら、長い間使い続けられるのも魅力だ。
最近では、アイアンやモルタルなどの無機質な空間に、ウッドやレザーなどの有機質な家具を取り入れたインテリアも人気が高い。
【Sampling 01.】
コンクリートの壁や床の風合いを楽しむ。
年季が入った中古物件をリノベーションして、コンクリート剥き出しの無機質な空間に。壁や床は同じ素材ながら、つなぎ目やムラなどが随所にあり味わいを感じる。本棚や家具などの差し色も受け止めてくれる懐の深さが魅力だ。
【Sampling 02.】
公共施設からインスピレーション。
壁や天井をすべて取り払ったスケルトンのワンルームを、好みの床材で使い分けするようにリノベーション。トイレのドアには、公共施設によく使われている亜鉛鉄板を使用し、ピンク色の内装とのミスマッチ感を楽しめるようなデザインにした。
ZERO-CUBE WAREHOUSE(ゼロキューブ ウェアハウス)に散りばめられた、インダストリアルデザイン。
「倉庫のような大空間に住みたい」という夢をデザインに落とし込んだ「ZERO-CUBE WARAHOUSE」。アイアン製のむき出し階段やブリックタイルの壁、スケルトンライクな吹き抜けなど、倉庫を連想させるインダストリアルデザインがワクワクする空間を生み出している。
「ZERO-CUBE WARAHOUSE」のインダストリアル空間、どう暮らす?
ロフトで趣味や仕事に没頭したり、デッキスペースでアウトドア気分を味わったり。「ZERO-CUBE WARAHOUSE」には、暮らしを豊かにしてくれる工夫がたくさん。家具や植物などのインテリアによって、さまざまな表情に変わる。
【Sampling 03.】
秘密基地のような吹き抜けの2Fスペース。
ベッドやデスクを置くのにぴったりな2Fのロフト。プロジェクターとソファを置けばミニシアターに、服をディスプレイすればクローゼットにと、その使い方は無限大。まるで秘密基地のように、自分だけの時間を楽しめる。
【Sampling 04.】
倉庫のような大開口のデッキスペース。
リビングとデッキがフラットにつながるデッキスペース。ガルバリウムの外観と大開口の扉がまるで倉庫のような趣になっている。
【Sampling 05.】
無機質なキッチンのディテール。
アイアンとウッドを組み合わせたキッチンや、2Fまで続くブリックタイルの壁は、東海岸のダイナーを思わせる造りに。存在感のあるペンダントライトや造作棚など、見た目と使いやすさを兼ね備えたデザインだ。
インダストリアルな家で暮らしを楽しむ。
素材本来の良さを取り入れたインダストリアルデザインなら、飽きを感じることなく、むしろ経年変化でより家に愛着が湧いてくるはずだ。長く暮らせる家の選択肢として、ぜひ検討してみてほしい。
- Photo/Hisanori Suzuki、Hiroshi Nakamura
- Text/Reina Shibata
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