音楽と笑い声の響く、三角屋根の家。趣味と夢が広がるMr.Standard。
閑静な住宅地に、まるでアメリカの西海岸に佇む小屋のような、三角屋根の家が現れる。オーナーは、伊勢市でライブハウス「都天眞堂」を営む、電気工事士の都省太朗さん。「この家を建ててから、ますます趣味が楽しくなった」と語るその理由とは? いい音楽といい笑顔にあふれた都さん一家の暮らしを覗かせてもらった。
- 都 省太朗(電気工事士)
- みやこ・しょうたろう|三重県伊勢市出身。電気工事士として「みやこ電工」の代表を務める傍ら、ライブハウス「都天眞堂」を主宰する。2023年に「Mr.Standard」オーナーに。妻のちとみさん、娘のひめなさんと共に暮らす。
- Instagram - @isemiyakotenshindo
平屋暮らしへの憧れと、アメリカンな雰囲気に惹かれて即決。
生まれも育ちも伊勢の都さん。電気工の「みやちゃん」として、地元でもよく知られる存在だ。ライブハウス「都天眞堂」のオーナーという顔も持ち、さまざまなバンドのツアーサポートなどを行っている。そんなライフワークとしての音楽が、妻・ちとみさんとの出会いも作った。2人が好きなバンドのひとつ「ハンバート ハンバート」をきっかけに、意気投合。昨年結婚し、娘のひめなさんとともに3人の暮らしが始まった。
「これまでは、1LDKのアパートに暮らしていたのですが、やはり家族3人で暮らすには狭さを感じていました。せっかくこうして家族ができたのだから、家を建てようと、僕の実家の近くでもあり、馴染み深いこの場所に土地を決めました」
電気工という仕事柄、さまざまな家を見ることも多い都さん。中でも平屋には以前から憧れがあったとか。
「スペースに無駄がないし、歳をとってからも暮らしやすそうだし、家を建てるなら平屋がいいという思いが漠然とあったんです。ただ、理想を求めていろんなモデルハウスを見て回ったものの、なかなかピンとくる家が見つからなくて」
そんな都さんに工務店を営む友人が紹介したのが、「LIFE LABEL」と雑誌「POPEYE」のコラボ住宅・Mr.Standardだった。
「見た瞬間これだ! と思いました。アメリカのバンドカルチャー好きというのもあって、“西海岸の平野に佇むラフな小屋”というコンセプトや、ラワン材を使ったアメリカンな雰囲気にも惹かれました」
レコードを聴いてまったりも、みんなでワイワイも叶う、天井高のリビング。
コンパクトかつシンプルな外観を裏切るように、一歩入れば、温もりのあるラワン材に囲まれた開放的な空間が広がる。三角屋根のおかげで夏は涼しく夜は暖かい、その快適さも家族みんなが満足しているポイントだとか。
「木に囲まれているせいか、すごく落ち着くんですよね。仕事から帰ったら、お酒を飲みながらソファで寝落ちするのがお決まりになっています」と笑う都さん。まったりくつろぐ時間のお供は、レコードの音色だという。
「天井が高いせいか、モニタースピーカーでもすごくいい音に聴こえるんです。家を建てたらいいスピーカーを買おうと張り切っていたのですが、これで十分でした(笑)」
プレーヤーを乗せているレコード棚は、この家ができて最初に購入した家具のひとつだ。
「以前は、カラーボックスにレコードを詰め込んでいただけ。見栄えもよくないし、かさばるし、なんとかしたいと思っていました。京都のヴィンテージ家具屋で出会ったのが、『G-PLAN』のこのキャビネット。家の雰囲気にもぴったりだし、すごく気に入っています」
家を建ててから、音楽仲間や友人たちと家で集まる機会も増えたという都さん。一度に10人以上の来客があることも。
「天井が高いおかげで、大人数が集まっても圧迫感がないんですよ。みんなでワイワイ食事したり、音楽談義に花を咲かせたり」
実は都さん、当初は平屋にこだわっていたものの、最終的にはこの家を2階建にすることにした。
「いろんな人が来て欲しいという思いもあって、2階をゲストルームにしたんです。家主に気を使わずに済むように、小さな洗面所も取り付けました。実際、ツアーで伊勢にやって来たバンドが、合宿先のように使うこともあります」
そして2階の部屋は、妻・ちとみさんのための空間でもある。
「私は、趣味でアクセサリーや染め花のヘッドドレスなどを製作しているのですが、これまでは、十分なスペースもなく、しばらく活動をお休みしていたんです。でも、素敵なアトリエができた今、徐々にまた始めたいなと思っています」
ラワン材の壁だから、映える色。「趣味」も「夢」も少しずつ広げて。
アクセサリー製作のほかに、最近は植物にもハマっているというちとみさん。家のあちこちに飾られた大小さまざまな鉢植えは、この家ができてから少しずつ買い集めたものだ。
「以前のアパートでは、大きな観葉植物は置くことができなかったので、こうして飾る楽しみができたのは、うれしいですね。花屋の友人がいるので、いつも相談しながらこの家に合いそうなものを少しずつ増やしていっています」
植物とともにこの家を彩るのは、青や赤など鮮やかな色の家具や雑貨だ。そこにもちとみさんのセンスが生かされている。
「最初はブラウンの壁に、どんな色の家具が合うんだろう? と、難しく感じたのですが、思い切ってビビットなカラーを選んでみたら、不思議と馴染んで、空間も明るくなりました。好きな配色を意識しながら、スペースごとにアクセントになる色を選んでいます」
「インテリアは妻にお任せ」という都さんだが、この完璧に配線が隠されたテレビは電気工ならではの技。おかげで部屋全体がすっきりとスタイリッシュに見える。他にも、エアコンのカバーをこの家の雰囲気に合うよう、塗装屋の友人に頼み、マットなブラックに仕上げてもらうなど、しっかりこだわっている。
暮らしもインテリアもイメージできる『LIFE LABELの家づくりアプリ』。
Mr.Standardならではのインテリアを楽しむ都夫妻だが、当初は、特徴的なラワン材の壁をうまく生かせるか、不安もあったという。役立ったのが、『LIFE LABELの家づくりアプリ』だ。
このアプリでは、暮らしのアイデアや、ライフスタイルに合わせた間取り探し、自分好みのデザインやスペックを反映した家づくりのシミュレーションなどができる。
「シミュレーションで理想を詰め込んでいくのがすごく楽しくて、あれもこれもとやっているうちに金額が大変なことに。予算との睨み合いでしたね (笑)」と、笑う都さん。さまざまなスペックの中でも、こだわって正解だったのが、木製のブラインドとサッシだという。
「ラワン材の壁にもマッチして、空間全体の雰囲気がすごくよくなりました。これからMr.Standardを建てたいという方には、ぜひおすすめしたいですね」
ちとみさんも、アプリに載っている豊富な写真のおかげで、よりリアルにインテリアをイメージできるようになったとか。
「写真を眺めながら、こんな家具を置きたい、こんな雑貨を飾りたい、と、夢が膨らみました。今はそれを少しずつ叶えている感じです」
まだまだ2人の夢は膨らみ続けている様子。都さんは「この先、棚を作って壁をレコードで埋めつくしたい、なんてことも考えています」と教えてくれた。
「趣味」や「夢」があればあるほど、楽しみも暮らしの幅も広がっていく。三角屋根の家の可能性はまだまだ未知数だ。
- Photo/Chie Kushibiki
- Text/Renna Hata
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