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DIYのプロが考える自分らしい暮らし
CULTURE 2022.02.16

DIYのプロが考える自分らしい暮らし

石田 勇介さん「toolbox」ディレクター

LIFELABEL × tools

「好き」を暮らす

ユニークな内装建材で人気の「toolbox」と一緒に、LIFE LABELでは「住む、が一生の趣味になる」をテーマにしたコラボレーション住宅「ZERO-CUBE TOOLS」をスタート。そこで、家族の「好き」を追求し、心地いい暮らしを送るさまざまなご家族を訪問。好きが詰まった暮らしのヒントを教えてもらいます。第1回目はtoolboxディレクター・石田勇介さんのお宅にお邪魔しました。

DIYのプロが考える
自分らしい暮らし

石田 勇介さん「toolbox」ディレクター

toolboxディレクターとして
新しい暮らし方を提案

空間づくりを楽しむための内装建材や家具パーツ、さらにはアイデアも提供する内装ストア「toolbox」で、商品開発や企画を行うディレクターの石田勇介さん。新しい暮らし方を楽しむ住宅・ライフレーベルの「ZERO-CUBE」と、空間を自由に編集できる「toolbox」がコラボレーションする新商品「ZERO-CUBE TOOLS」の企画設計にも携わっています。 

どうしても心惹かれる
人生の「好き」を3つ

石田さんには気がづけば心惹かれていたという、自分の人生において外せない「好き」があります。それは、DIY、プロダクト、料理の3つ。それらをいつも身近に感じていたいと手がけた家には、至るところにそのユニークな楽しみ方が隠れていました。

中古マンションを購入し、すべての壁を壊して広々としたリビングダイニング。ここに“古いもの好き”な石田さんが20代から収集したイスやテーブル、照明など、お気に入りの家具を解放し、その様子はさながら秘密基地のよう。

No1

思い描いてきた理想の住空間を
自分で設計してオーダーする

中庭をコの字型で囲んだユニークな間取りが気に入って、2010年に購入した中古マンション。

「昔から“こういう家に住みたい”という漠然としたイメージがあったので、それをこの家に注ぎ込もうと自分で間取り図を描いたんです。設計図といえるような正確な図面ではなかったのですが、その自作の発注書を工務店の方に渡して、さらに自分たちも住み込みながら、職人さんと一緒に家を作っていきました。毎日顔を突き合わせているとコミュニケーションが密に取れてきて、“実はこういう方法もあるんだけど……”って職人さんがノリノリで施行方法を提案してくれて。僕も自分が使いたいものに対しての素材をいろいろ探して、見積もりを出しながら、その都度アイデアも出していく。そういう“一緒に物を作り上げていく”過程がたまらなく好きなんです」。

そんなリノベーションとDIYで仕上がった家は、細かく仕切られた壁が一切なく、リビングダイニングが広がる解放的な空間に。そして、玄関脇に配した浴室は、なんとポリカーボネイトの扉が跳ね上がる独創的なデザイン。エントランスと浴室が地続きのため、扉を上げると部屋と浴室の仕切りがなく、まるで居間かガレージで入浴する不思議な感覚。「常識に囚われず、自分が面白いと思ったことを形にするとこんな家になっちゃいました」と、石田さんはうれしそう。

No2

20代から収集した
プロダクトに
新しい価値や
役割を与えたい

そんな唯一無二の空間に、若い頃から収集してきたヴィンテージのイスやテーブル、照明をワクワクしながら並べていった石田さん。マルセル・ブロイヤーの名作・ワシリーチェアや、イタリアの老舗家具メーカー・カッペリーニのイス、さらにはオランダの学校で使われていた児童用のイスなど、年代も国もテイストもさまざまな古いインテリアが配されていました。

また、本棚からこぼれ出すようにアート本や建築本、写真集など、大量の書籍が部屋のいたるところに積み上げられている姿も印象的。「昔から本が好きで、常にランダムに読み返しているんです。ほとんどが内装や家具の本ですね」と、根っからのコレクター気質。さらには、壁には車のドアだけが何気なく飾られていたり、自動車ブランド・アバルトの巨大な木箱になんと衣類を収納していたり。「プロダクト自体が好きなのと“こう使ったら面白いんじゃないか”と自分で模索するのが好きで。新しい役割を物に与えていきたいんですよね」と話します。

収集してきた数多くのプロダクトが、これまでと違う価値観で息を吹き返す―。石田さんの秘密基地には、そんな新たな可能性を秘めた存在がひしめき合っていました。

No3

料理好きが考え抜いた
使い勝手の良い
キッチンの在り方

夫婦ともに料理が趣味で、キッチンに立つ時間も長いという石田さん。「既製のものではなく、自分たちが使いやすいキッチンをつくろうと思って、紆余曲折を経て形にしていった感じです」。そう話す目線の先には、古道具屋で見つけたアンティークの作業台が独特の存在感を放っていました。

「作業台の天板を抜いてコンロやシンクを取り付け、ここで調理できるようにしたんです。ちょっと勿体ない気もしたけどね。壁付のキッチンにもコンロとシンクは備わっているんですが、妻と一緒にキッチンに立ったとき、作業スペースが2つある形が一番スムーズなんです」と、料理好きならではの着眼点。「壁付のキッチンの天板は、石屋さんの親戚にもらった大理石を使いました。これがまた、とても重くて。少しずつ運びながら乗せていった思い出の品です」と、あるものを有効活用するアイデアはここでも発揮。そして、フライパンや鍋、食器類は作業の邪魔にならないように壁際、カトラリーは調理中にすぐ取れるようにコンロ近くにまとめ、動線を考えたスペースに仕上がっていきました。

「仕事で忙しい日々を送っていると、何も考えずに料理に没頭したくなるんです。それが一番手軽な気分転換なんですよ。このキッチンでますますその時間が楽しくなりました」。

これからの住まいの
楽しみ方は?
自分と家族の
「好き」の新しいカタチ

自分たちの“心地いい”をたくさん詰め込んだ住まいも、時間の経過や子どもの成長に合わせて、その姿は多様に変化していきます。ライフスタイルに合わせて必要な空間をチョイスできる「ZERO-CUBE」に住むなら、どんな使い方をしたいのかを石田さんに聞いてみました。

「昨年の11月に産まれた娘が、そろそろ歩き始める時期なんですよ。だから、それに合わせて、自宅の内装をまた変えていくんです」と、うれしそうに話す石田さん。「今は子どもをサークル内で遊ばせていますが、もう自由に動きたくなるでしょうから、子どもの動線を考えた家にしていきます。実は、明日から工事が入るんですよ(笑)。寝室に断熱材を入れたり、リビングと玄関にガラスの仕切りを配したり。どうなるかは出来上がりのお楽しみですけど……」と、自然と笑顔がこぼれます。忙しい仕事の合間で進める自宅工事は大変なものの、新たに手を加えて家族の“心地いい”を追求していくことが楽しみでたまらない様子。

そんな石田さんに、スカイバルコニーやボックスを加えられる「ZERO-CUBE」の楽しみ方を伺うと「僕なら、屋根のないスカイバルコニーの真ん中にドンとシャワーを設置して、解放感があるシャワータイムを満喫したい」というユニークなコメントが。誰の目も気にせずに、空の下で裸になってシャワーを浴びたいと、目をキラキラさせて話してくれました。石田さんの自宅にあるエントランスに併設された現在の浴室も斬新ですが、太陽を浴びながらや星空を眺めながらのシャワーはきっと格別。アウトドア好きな石田さんらしい、素敵な提案をいただきました。

make a room 次の「好き」をカタチにするわたしの『ZERO CUBE』

燦々と輝く太陽の陽射しの下、背丈ぐらいの緑がグルリとまわりを囲んだスカイバルコニー。その真ん中には1本のシャワーが配置され、光、風、香りなど、さまざまな自然を感じながらシャワーを浴びられるスペースに。

DIY、プロダクト、料理。そんな3つの好きが濃密に詰まった石田さんの家には、既製品にはないユニークなアイデアが満載でした。今後、家族の時間とともに変化していく住まいの風景が今からとても楽しみです。

PROFILE
石田 勇介さん

toolboxディレクター。物心がついた頃からプロダクトデザインに惹かれ、20代からさまざまなヴィンテージ家具を収集する。少年時代から部屋や家具を改造するのが趣味。キャンプやカヤック、釣り、料理など、多岐にわたる興味の対象が自宅に集結している。一児のパパ。 https://www.r-toolbox.jp/

photographer 原田教正 writer 仁田ときこ
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