- 松田 隆史(CAMP HACK編集長)
- まつだ・たかふみ|8年ほど前、友人と共に訪れたキャンプフェス「New Acoustic Camp」をきっかけにキャンプ好きとなり、好きが高じて日本最大級のキャンプ・アウトドアWEBマガジン「CAMP HACK」の編集長に。プライベートでは長女の誕生をきっかけに中古マンションの1室を購入し、リノベーション。現在は長男も生まれ、2児のパパに。
- Instagram ‐ @camp_hack
凝縮されたキャンプ道具に、つい触れたくなる空間。
キャンプ好きならご存知だろう、「CAMP HACK」。月間PV数は3500万に迫り、年間の総読者数は5100万人を数える日本最大級のキャンプWEBマガジンだ。その編集長を務める松田さんは、無論、大のキャンプ好き。自宅の扉を開けるとラックに積まれたキャンプ道具の数々が訪れる人を圧倒させ、その光景が彼の趣味を雄弁に物語る。
「誤解を恐れずに言えば、キャンプはライトカジュアルなサバイバル。装備がひとつ欠けただけで命に関わる登山と比べ、ずっとライトです。でも、その気軽さがいいのかもしれない。自然と触れ合いながらも、キャンプはどこか家の延長線上。だからこそ、芯からリフレッシュできる気がして」
機能性と利便性をもってして、リフレッシュのひとときを下支えするのがキャンプ道具。中古マンションの1室を解体し、ごく一般的な間取りの3LDKをリノベーション。広々とした玄関ホールを備える1LDKに造り替えたのも、理由はもちろん、道具の収納スペースを確保するため。
「キャンプを始めてから8年になります。当初は手当たり次第、道具を買い漁っていましたね(笑)。それが少しずつ、自分にとって本当に必要なアイテムが見えてくる。不要になったものは友人に譲ったり、売りに出したり、今、手元にあるのは僕にとっての精鋭です」
つまり玄関ホールに並ぶのは、選び抜かれたお気に入り。そこに並んだキャンプ道具を眺めては頬が緩み、手に取ることもしばしば。共にキャンプのひとときを過ごした道具への愛着は強く、何気なく触れていると、自ずとキャンプに連れ出したくなる。隠さず、見せるからこその効能だ。
メリハリを意識しつつも漂う、隠しきれない“好き”。
「家族と一緒にファミリーキャンプに出掛けることもありますが、アウトドアはあくまでも自分の趣味。リビングにまでキャンプの要素を盛り込むのは、ちょっと気が引けるじゃないですか(笑)。子供のことを考えてもゴチャゴチャとものは置かず、すっきり、広さを感じられることが一番です」
それでも自身の趣味を隠しきれないのが、確固たる“好き”を持つ人のサガ。ついつい衝動買いしてしまうというクッションは丸太モチーフだったり、焚き火モチーフだったり、天井から吊されたブランケットもキャンパーらしくオルテガ柄だ。
「自宅用に購入したはずのアイテムが、意外にもキャンプで活躍する。このパターンは僕にとっての“あるある”ですね(笑)。そう考えるとキャンプであっても自宅であっても、自分が違和感なく使えるアイテムって、結局は変わらないのかもしれない。キャンプで使って便利なものは自宅で使っても便利。その逆も然りです」
「住みやすさを第一に考えてはいても、キャンプの空気感を欲してしまいますね。部屋にグリーンを飾っているのも、アウトドアのニュアンスが欲しいから。正直に言えば、植物を育てるのは苦手なんです(笑)。でも、キャンプ道具とグリーンって、最高の相性じゃないですか」
グリーンの隣に置かれたLEDランタンは、自宅でもキャンプでも活躍するアイテムの代表例。さらにアウトドア環境での快適性を高めてくれるヘリノックスのチェアであれば、自宅でも心地よく座れるのは当たり前のこと。野外のムードをプラスするグリーンが部屋にみずみずしいエッセンスを添え、プロダクトとして優れたキャンプ道具が家族の空間を快適にする。このリビングには、松田さんの隠しきれない“好き”が漂っている。
コックピットさながらの書斎に滲む、アメコミ愛。
松田さんの“好き”がそこはかとなく漂うリビングから一転、玄関ホールと同様に趣味に埋め尽くされたようなスペースが、こちらの書斎だ。約2畳という狭小空間にワーキングデスクとチェアがセットされ、そこに2台の液晶モニターが並んだ様子はコックピットさながら。
「購入したマンションをリノベーションするにあたり、絶対に譲れなかったのが玄関ホールの収納と書斎でした。特に書斎に関しては、無理やりに造ったようなものです。デスクは造り付けにしましたが、チェアは勤務先のお下がり。狭すぎる入り口からは搬入できず、窓から押し込んだくらいです(笑)」
その狭さについて苦笑いしながら話してくれた松田さんだが、人ひとりしか入れない狭小の空間だからこそ、否応にも仕事がはかどる。とはいえ、この書斎は仕事場所であるのと同時に自分だけの場所。
ブルーに塗られたDIYの有孔ボードには登山の道具がディスプレイされ、その上に顔を出すのは『スター・ウォーズ』のストームトルーパー。天井に張られたネットにはスパイダーマンが顔を出し、デスクの上に設けられたラックに腰掛けているのもつい集めてしまうというマーベルフィギュアだ。玄関ホールに負けず劣らず、趣味のアイテムたちが凝縮され、眺めているだけでも遊び心をくすぐられる。
「昔からアメコミが好きなんです。それにキャンプにハマる以前は、実は登山が趣味で。キャンプが趣味であり仕事にもなった今、登山はずいぶんとご無沙汰。それでも愛着あるアイテムは捨てられず、書斎に飾った登山道具を眺めては『ごめんな、いつか山に連れ出すからな』という気分に浸っています(笑)」
もしamadana baseに住んだら、開放的なインドアキャンプ空間に。
ごく一般的な間取りのマンションの1室をリノベーションし、趣味と家族の暮らしを上手に、メリハリ豊かに両立させている松田さん。そんな彼が「amadana base produced by amadana」に住んだとしたら、いったい、どんな“好き”を真ん中にした空間に仕上げるのだろうか…。
「吹き抜けの開放感を生かし、玄関からホビースペースにLDK、さらにはテラスに至るまで一直線のシームレスな間取りにしたいですね。そうした間取りなら、メリハリなんて考える必要はないのかもしれない。持ち出しに便利な玄関近くにキャンプ道具をレイアウトすれば、それだけでアウトドアの香りが満点の住まいになります。これだけ広々していれば、子供のことも安心です」
「部屋にハンモックを吊すのはもちろん、テントだって張れてしまいそうな間取り。キャンプ仲間を家に招き、ホビースペースのカウンターでキャンプ飯を食べながらお酒を楽しんだら、これはもう、キャンプと同じくらいにリフレッシュできそうです」
「amadana base produced by amadana」の開放的な間取りなら、趣味と生活を隔てる必要は皆無――。趣味と家族の暮らしのメリハリを意識しつつも、キャンプへの愛情は隠しきれない松田さんのこと。その“好き”が住まいの中心にレイアウトされたなら、多くの友人たちが松田邸に集い、インドアキャンプを楽しむに違いない。
- Photo/Chie Kushibiki
- Text/Kyoko Oya
- Illusut/Daisketch
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