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冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。
GREEN LIFE 2023.05.23

冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。

植物をたっぷりあしらいながらも個性的——。今回は四角いフォルムの「ZERO-CUBE(ゼロキューブ)」を舞台に、“脱ナチュラル”なインテリアにフォーカス。グリーンにかける愛情と同じくらい自分の“個性”を大切に家具や雑貨をセレクトすれば、植物の瑞々しさと癒しはそのままに、オリジナリティに満ちた空間に。

シンプルだからこそ。“エッジィ”が生きる四角いZERO-CUBE。

観葉植物を用いたインテリアは、部屋づくりにおける定番中の定番。それだけに、自分だけの色を打ち出すのが、ちょっと難しくもある。もちろん、グリーンとウッド素材を組み合わせたような、ナチュラルなインテリアも素敵だが、そこにプラスアルファのエッジを効かせたなら、ぐっとオリジナリティが高まる。

そもそも、グリーンの魅力は癒し。部屋に瑞々しいアクセントを添え、さらには丁寧に水やりをしては生長していくさまを見守るのもリフレッシュ行為のひとつ。この愛すべき植物を生かし、それでいて自分の色を打ち出すのに最適なのが、個性的な家具や雑貨たちだ。

今回の舞台となるZERO-CUBEは、潔いまでにシンプルな四角い箱。ムダを削ぎ落とした住まいは、インテリア配置のバランスを取りやすいのがメリット。また、吹き抜けを採用した高い天井に大ぶりの植物が映え、スケルトンの階段までもがグリーンのディスプレイ場所として活躍してくれる。

インパクト絶大。大型の個性派家具にこそ、グリーンが味方に。

植物の緑色は寒色でも暖色でもない“中間色”に位置づけられ、カラーコーディネートの世界では、バランスの取りやすい色のひとつに挙げられるとか。ゆえに、個性的な家具や雑貨とも相性抜群。取り入れるのにちょっと勇気のいるエッジィな家具にこそ、グリーンが強い味方になる。

なかでも、部屋に一気にオリジナリティをプラスしてくれるのが、個性的な大物家具。ユニークなデザインと大ぶりなサイジングの相乗効果により、抜群の存在感を放ってくれる。特に取り入れやすいアイテムを挙げるなら、大判のラグ。デザインで遊ぶのはもちろん、カラフルな色を選び、植物とのコントラストを演出するのも楽しい。

そして、部屋の印象を大きく左右する家具といえば、テーブルとチェア。暮らしに欠かせないアイテムだけに、冒険するには少し勇気が必要なアイテムかもしれない。そんなときはデザインのユニークさを重視しつつ、素材や色はちょっと保守的に。ウッドやレザー素材を用いたテーブルやチェアなら、個性派でありながら部屋にすっとなじむ。グリーンとブラウンはどちらもアースカラーとあって、色の相性は間違いなし。

冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。

キッズ用のハイチェアで知られる「ストッケ」のエクストレム

大物家具において、もうひとつのキーアイテムがソファ。部屋の真ん中にソファをレイアウトしている人も多く、個性を主張するにはもってこい。エッジィなルックスながらカバーの素材には柔らかなニットが採用された気の利いたソファを選べば、部屋にあふれるグリーンも相まって、その心地よさから読書も捗る。

隣り合わせたり紛れ込ませたり、醍醐味はレイアウト。

インテリア好きの心をくすぐるのが、雑貨の数々。実用的な雑貨はもちろん、いったい、何のために製作されたのか、用途不明な雑貨もたまらない。そうしたアイテムが入り交じれば、当然、部屋も個性的な印象に。グリーンの隣に寄り添わせたり、複数の植物のすき間に紛れ込ませたり、グリーンと雑貨を組み合わせながら配置を考えるのも楽しい。

冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。

1980年代「オマーサ」のスツール

例えば、レザー素材の雑貨ならグリーンとの色の相性は抜群。それもヴィンテージ品なら、経年変化の味わいを楽しみながら、植物のフレッシュなルックスとのコントラストもより一層際立つ。

どんな色ともバランスの取りやすいグリーンだけに、落ち着いた色味のレザーアイテムだけでなく、柔和なパステルカラーの雑貨にも、さらにはビビッドなサーモンピンクを差し色にしたライトとも調和する。ちなみに、円柱や三角柱、四角柱のフォルムをしたパステルカラーの雑貨は、1970年代に製造された大型の積み木だとか。

冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。

ヴィクトル・ヴァザルリのポスター

部屋に自分の色をプラスするなら、アートも欲しいところ。グリーンとの同居を楽しむなら、特に推したいのが幾何学アート。図形の連続から生まれる数学的なニュアンスと自然物であるグリーンが隣り合わせた様子は、それだけでユニーク。

植物好きであればこそ、グリーンにも“自分の個性”を詰め込んで。

グリーンと個性的な家具や雑貨の組み合わせを楽しむからには、植物それ自体の個性にもこだわりたい。たとえ同じ品種であっても、それぞれに枝葉の伸ばし方が異なり、どんな植物だって個性的。でも、主にアフリカを原産地とする多肉植物に代表されるように、世界にはあまりにも独特な姿をしたグリーンが存在する。

個性に富んだ植物たちのユニークさをさらに際立たせてくれるのが、グリーンの相棒たる鉢植え。スタンダードなシルエットであっても、色味を冒険するだけで表情が変わるのがおもしろい。特にサイズの小さな植物なら、鉢植えごとにカラーリングを変えてみるのもおすすめ。複数の色味の集合が、部屋にポップなエッセンスをプラスしてくれる。

冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。

ウラシマソウ

冒険を楽しむ。グリーンと個性派家具の蜜月インテリア。

アスパラガス・プルモーサス・ナナス

植物のディスプレイ方法を工夫するのも、グリーンを用いたインテリアの醍醐味。葉っぱがふわっとボリューミーな品種をマクラメにハンギングすれば、柔和でありながらインパクト抜群。スチール製のチェーンで吊したり、植物ハンギング専用のガラスポットが販売されていたり、ハンギングの方法もさまざま。吊す方法が豊富であればこそ、選び方に自分だけの個性がにじみ出る。

“脱ナチュラル”から始める、より愛着深まるグリーンライフ。

自然物であるグリーンの瑞々しさを生かしながら、脱ナチュラル。グリーンがあればこそ、ちょっぴりアクの強い個性的な家具や雑貨もすっとなじみ、これまでとはひと味も、ふた味も違ったインテリアを楽しめる。

吹き抜けの空間に大きな窓を備えたZERO-CUBEなら、植物の生長に必要な日光もさんさんと。四角いフォルムから成るベーシックな間取りゆえに植物も家具も雑貨も配置しやすく、おのずと冒険しやすくなるはずだ。

そして、自分の好みを「これでもか!」と反映させたアイテムと植物との共演を楽しめば、すくすくと生長していく植物への愛情だけでなく、暮らしのベースとなる部屋への愛着も深まるに違いない。

  • Photo/Hisanori Suzuki
  • Styling/Yusuke Ishida
  • Text/Kyoko Oya
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