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建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。
CULTURE 2023.07.10

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

「自分の空間を編集するための道具箱」をテーマに、デザイン性のある内装建材やパーツ、住宅設備を扱う「toolbox」の営業企画を担当する小尾絵里奈さん。以前暮らしていた集合住宅のリノベーションの経験を活かして、次なる住居に決めた鎌倉の築浅物件の改装もとことん楽しむ。今回、間取りに合わせた自分らしい改装のノウハウを伺った。

INFORMATION
小尾 絵里奈さん(toolbox)
小尾 絵里奈さん(toolbox)
おび・えりなさん|貿易会社で働いたのち、インテリアメーカーの営業として7年勤務。その後、約2500点の内装建材やパーツを販売する「toolbox」に転職。企画営業として、住宅メーカーと一緒に規格住宅を開発。さまざまな視点から家づくりの楽しさを提案する。

いつか暮らしたかった森や山での生活を実現させて。

2年前に川崎市の住まいから、自然豊かな鎌倉へと移住した小尾絵里奈さん。以前の集合住宅のリノベーションが完成して、なんとわずか1年足らずで引っ越しを決めたという。

「いつか自然豊かな森のような場所で暮らしたいと思っていたんです。そうしたら、ネットで鎌倉の築浅物件を偶然見つけて。売主の方が早くに売却を希望されていたみたいで、相場よりも格安だったのが大きな決め手になりました」

住居の裏には鎌倉山の緑が広がり、敷地は230坪。広い庭では念願だった畑もサウナも楽しめると夫婦揃って夢が膨らんだ。築浅物件だったので間取りはそのままに、内装に力を入れることにした小尾さん。

小尾さんがこだわったのは、一階と二階でテイストをガラリと変えたこと。集まった友人たちが気楽に過ごせるようにと、一階のメインとなるリビングとダイニングキッチンは、できるだけシンプルに。庭の緑が自宅から眺められる窓には遮るようなものを極力控え、シーチングカーテンを選んだ。家の外観がヨーロッパの田舎のような雰囲気だったため、内装もそのイメージを壊さないように心がけたという。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

シアタースペースに敷いたグリーンのラグは「堀田カーペット」のブリティッシュウールのもの。白壁とグリーンのメリハリある組み合わせでパリっぽい雰囲気を出した。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

テーブルやイス、照明などは、埼玉県東松山市にあるアンティークショップ「BELLBET」で購入したものが大半。味わい深くてユニークな家具が多く、以前から小尾さんのお気に入り。

自分でできること、職人に任せることの役割分担。

「以前のマンションもリノベーションに取り組んだので、職人さんに任せること、自分たちでDIYできることがハッキリ分かっていたのも大きかった。プロに任せた方が上手くいく分野を把握していたし、どういう段取りで進めていけば良いのかも経験していたので」

そうして、小尾さんの住みながらの改装が始まる。壁や床は職人に任せて、自分たちは家具のDIYに取り組んだそう。

住まいの顔となる玄関。その扉はいわゆる既製品ではなく、フランスのアンティークドアを取り付けた。それだけで、この家の物語にドキドキする。

「靴箱は、使い込まれた作業台に自分たちで板を設けたことで、玄関の雰囲気と馴染んだように思います。ドアノブや照明のスイッチなども、アンティークのもので揃えていきました」

寝室に入ると、ベッド奥に配されたヘッドボードに目が行く。こちらは「toolbox」の板材を用いて、職人に制作してもらったもの。充電用のコンセントが差せるなど、見た目のかっこよさ以上に実用性も光る。

二階は大好きな山小屋風にして、趣味を全開。

階段を登って二階に進むと、シンプルな一階とは雰囲気がまるっきり異なる。床にはラフな足場板を取り入れて、どこか山小屋のような印象。

「いつか山で暮らしたい、という夢があるんです。だったら二階は自分の好みを全開にして、山小屋っぽくしようと改装のテーマが決まりました」

二階の奥の角部屋は小尾さんの仕事スペース。大きな窓からは常に鎌倉山の緑が望め、パソコンで疲れた目を癒してくれる。BGMはいつでも鳥のさえずりだ。

「ここがあまりに居心地が良く、仕事も読書もはかどるので、越してから逆に家から出なくなったかもしれません。それほど、家で過ごす時間が大好きになりました」

天井は大工さんに依頼して、コの字型の本棚を取り付けてもらった。本に囲まれた暮らしに憧れていたので、自宅のどこにいても読書できる空間にしたかったと小尾さんは話す。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

廊下から仕事部屋の床材には、建設現場で使われる足場板をチョイス。どこか粗野なイメージが漂う床材のおかげで、山小屋の雰囲気が漂う。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

屋上に上がる階段にはウールカーペットを敷き、階段に座って読書が楽しめる仕様に。

仕事部屋の手前には、夫婦の趣味の部屋を設けた。二人とも登山が好きなので、有孔ボードを設置して、互いの山グッズを引っ掛けている。細々したアウトドアの道具も、壁一面を使って見せることで「あれどこいった?」にならない。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

趣味の部屋の床材は「toolbox」のスクールパーケットをセレクト。正方形の無垢材を市松模様に敷くことで、学校の教室に入ったような懐かしい雰囲気が漂う。

これから手を加えていきたい、庭いじりの楽しみ。

200坪ある広々とした庭は、住まい選びの決め手になった大きな要因。鎌倉山の自然に触れられ、いつでも四季を感じることができる、都会にはない魅力的な環境。家庭菜園で野菜を栽培して、友人らとBBQをして、サウナでゆっくりしよう。そんな妄想が膨らんだ。

「畑はまだ着手できていないのですが、そろそろ準備しようと思っています。完成したばかりのサウナは、すっかり週末の楽しみになりました。体調を崩しやすい梅雨時や寒い季節も、サウナで体調を整えます」

「家づくりを3回すれば理想の家ができる」というのはよく聞く話だが、実際にできる人はごくわずかである。それでも小尾さんは「次は国内でなく、海外で住まいを作ろうかな」と、軽やかに言う。

住み替えどきは、住んだ年数に関係ない。心惹かれる物件と出会ったときがそのタイミングなのだと小尾さんに教えてもらった。

pick up toolbox item

最後に、小尾さんが住まいに取り入れた「toolbox」のアイテムを紹介。建材のプロフェッショナルが選んだ目利きの品パーツを、自分たちの家づくりの参考にしたい。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

高い火力を発揮する「パワーガスクッカー」は、料理の楽しみを増やしてくれるハイパワーなガスコンロ。鍋底に炎が集中するため、湯を沸かすのもあっという間。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

プッシュプル式の「ワンタッチドアハンドル」は、業務用っぽいシャビーな面持ち。店舗で使うようなフォルムは、ウォークインクローゼットに使うことで客室でないことを示す。

建材のプロフェッショナルがつくる、二度目の住まい。

玄関の床は中国のレンガをスライスして製作された「チャイナブリック」。本来の用途とは異なるものの、デザインや質感が気に入り取り入れた。

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清潔感ある「フロストタイル」は真っ白ではなく、ニュアンスのあるレトロな白色でリノベーション物件にも良く似合う。洗面所やキッチンなどの水まわりで使いたい。

住む前も、住んでからも。暮らしを楽しみ続ける家「ZERO-CUBE TOOLS」。

洋館のような一軒家の改装に「toolbox」のアイテムを随所に取り入れた、今回の小尾さんの住まい。さまざまなテイストの内装建材を扱う「toolbox」だからこそ、自分好みの空間に完成した。

そんなtoolboxのアイテムを一棟丸々取り入れた住宅「ZERO-CUBE TOOLS」をLIFE LABELがコラボレーション。
趣味と好みが深まる住まいで、ぜひ自分らしいライフスタイルを楽しんで。

  • Photo/Takahiro Kikuchi
  • Text/Tokiko Nitta
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